シンはうちの子!
甘い悲鳴をあげてシンが達したすぐあとに、レイもまたぶるりと体を震わせた。
「…っ」
思い切り奥深くに注ぎ込んで、確かに感じたのは達成感と満足感。そしてどうしようもない征服欲。
時々、とてもシンを汚したくなる。
***
「レイの鬼、人でなしッ」
「…だから、悪かったと…」
「全然、思ってないって顔してるじゃんか!」
レイのベッドは二人の色んな汁がついてドロドロだったので、意識の飛んだシンを彼自身のベッドに寝かせてなぜかレイも同じシーツに寝転がった。
何となく、離れがたかったというか。
不思議なのだが、レイは基本的に人と無駄に馴れ合うのが好きではないが、なぜかシンとは一緒にいたいと思ってしまった。いいことなのか、悪いことなのかは分からないけれど。
今も、シーツからはみ出たシンの尻尾でビシバシ叩かれながらもなぜか頬と頬をくっつけて眠っている。悪態をつかれるというオマケ付きで。
「いいや、無茶をし過ぎたのは悪かったと思っている…が、誘ったのはお前が先だぞ」
「…人のせいにすんなよ~ッ」
「………」
「ていうか、この耳と尻尾どうすんだろ…全然、とれねぇ…」
気だるい体を仰向かせて、自分の頭の上にある耳をくいくいと引っ張るとシンは溜息をついた。
「…さあな…今度こそ、ぎ…ちょうの所に行って相談してみよう」
相変わらず議長一筋のレイが何だか恨めしい。こんなことした後くらい忘れろよ馬鹿!と思うのはシンの心が狭いわけでは決してない。
「…もうずっとこのままで、俺が猫になったらレイ…飼ってくれる?」
ちろりと、視線だけを隣にいるレイに向かって投げた。
「………」
暫らく、真っ直ぐに天井に向かっていたレイの蒼い目がゆっくりとこちらに向くのをシンは黙ってみていた。
「ああ。首輪をつけてシンはうちの子だぞって見せびらかすな」
「だ…誰にだよ…」
「…さあ…ルナマリアとか」
レイらしからぬ返答にシンは小さく笑って、それでもむぎゅっと彼を抱きしめて、額を擦り付けた。
うん。嘘でも…嬉しい。
「レイがご主人様か…じゃあ、安心して猫になれるかも」
「馬鹿。ちゃんと治してやる」
「へへ、じゃあ期待してるよ。うん」
一人なら不安なこともレイと一緒なら大丈夫な気がする。
耳がついても尻尾がついても。
折角なら、今度はレイを相手に尻尾プレイでもしてやろうと企むシンだった。
(それにしてもネコ耳の呪いってなんなんだろ…)
根本的なことが全く解決しないまま、レイのご主人さまロードは、始まったばかりだった…。