銀新ログ詰め合わせ
「あ、」
「ん?」
見上げたその先に見たものは。
「あ?どうした?」
何事かと若干身体を屈めた男に、慌てて何でも無いと応えを返すも、矢張り通じはしなかった。
渋々腕を持ち上げ、それを指す。
「髪が…」
「髪?」
きょとんとした顔が何処か可笑しくて、つい笑ってしまう。
ふわりと揺らぐ銀糸の髪は、陽の光を浴びて一層輝きを増す。
綺麗だ。
素直にそう思う。
ふわり、ふわり、
浮かんでは揺れて。
「柔らかそうな感じですよね」
そう言うと、矢張り心底嫌そうな顔をされた。
けれど。
「ふわふわ、羨ましいです」
そうして見上げたその先には、照れとも微苦笑とも取れる微妙な顔付きの男が居た。