愛してるって言わなきゃ殺す!
「聞いたよ。どうせそれネット知識でしょ」
図星をさされて帝人は押し黙った。頬に血液の集まるのを感じる。
「もう良いや」
「え?」
緩慢な動作で帝人はソファに倒された。
テレビではスタッフロールが流れている。次の番組は夕飯に間に合う今夜の献立番組らしい。白いテロップがゆっくりと画面の上を流れていった。
「俺は帝人君のどんな所も好きだよ。全部好き。大好き。愛してる。俺のものだよね?」
覆いかぶさってきた男の瞳に刃物と同じ光を見て、帝人ははっとして臨也の胸を押した。
「待って、待ってくださいって」
「喋らなくて良いよ」
優しい仕草に合わない強い力で帝人の首に手をかけながら、臨也は唇の端を赤い舌で舐めた。
「体に聞くからさ」
作品名:愛してるって言わなきゃ殺す! 作家名:東山