世界が色付く日
唐突に気付いてしまった。私は銀ちゃんに恋をしているのかもしれない、と。
取り立てて何かあった訳じゃない。視線が合った瞬間に電流が走ったり、身体が触れた瞬間に血液が頭に上ったりした訳でもない。本当に、ただ、ただ、唐突に理解できてしまったというだけ。
自覚すると、自分でもなるほどなと納得できる事がたくさんある。
その一。私はやたらと銀ちゃんに触りたがったし引っ付きたがった。冬場は暖かいから特に銀ちゃんは何も言わなかったけど、夏場は猛烈に嫌がった。嫌がられると私もムキになってべったりと引っ付き、最後には銀ちゃんが根負けするのが常だった。嫌がる分、熱が増して暑くなるんだから最初から諦めればいいのにとよく思ったものだ。
その二。銀ちゃんが私の知らない人と仲良くしているのを見るのが嫌だった。銀ちゃんは私よりもうんと年上で、銀ちゃんには銀ちゃんの人生があった事はわかっている。私と一緒に居た時間なんてそれらと比べればほんのちょっぴりしかないって事だってわかってる。それでも、面白くないものは面白くない。
そんな時、私は銀ちゃんにぴったりと引っ付いた。そうする事でほんのちょっとだけ安心できた。その時、銀ちゃんが視線をくれたり名前を呼んでくれたり頭を撫でてくれたりすれば御の字だ。
あげ出したら切りがない気がする、止めよう。いくらでも出てきそうでちょっと怖い。振り返れば振り返る程、よくもまぁ自覚しなかったものだなと自分でちょっと呆れる。自分でもそう思うんだから、きっと他の人達は気付いていたんじゃないか。特に銀ちゃん。
もう、そう考えたら顔から火が出るというたとえがよっくわかった。何なら実践してみようか、今ならできるんじゃないかと思った。
そう言えば、銀ちゃんと私が居れば世界は回るとさえ言った事がある。あれ、いつ言ったんだっけ。一生懸命あんまり多くない記憶を探す。あ、姐御を取り返しに行った時だ。……しかもニコチンとアイツに言ったんだった! 最悪だ。アイツらにもう会えない。
そこら辺を片っ端から破壊したい衝動に駆られたが、何とか押さえ込む。落ち着け神楽、お前はやれば出来る子のハズだ。こんな所で目立つ行為をする訳にはいかない。下手をすれば当の本人達とご対面なんて事態になりかねない。
まぁ、そんな訳で気付いてしまった私は、どうしたかと言うと。しょうがないので家出を敢行したのだった。
取り立てて何かあった訳じゃない。視線が合った瞬間に電流が走ったり、身体が触れた瞬間に血液が頭に上ったりした訳でもない。本当に、ただ、ただ、唐突に理解できてしまったというだけ。
自覚すると、自分でもなるほどなと納得できる事がたくさんある。
その一。私はやたらと銀ちゃんに触りたがったし引っ付きたがった。冬場は暖かいから特に銀ちゃんは何も言わなかったけど、夏場は猛烈に嫌がった。嫌がられると私もムキになってべったりと引っ付き、最後には銀ちゃんが根負けするのが常だった。嫌がる分、熱が増して暑くなるんだから最初から諦めればいいのにとよく思ったものだ。
その二。銀ちゃんが私の知らない人と仲良くしているのを見るのが嫌だった。銀ちゃんは私よりもうんと年上で、銀ちゃんには銀ちゃんの人生があった事はわかっている。私と一緒に居た時間なんてそれらと比べればほんのちょっぴりしかないって事だってわかってる。それでも、面白くないものは面白くない。
そんな時、私は銀ちゃんにぴったりと引っ付いた。そうする事でほんのちょっとだけ安心できた。その時、銀ちゃんが視線をくれたり名前を呼んでくれたり頭を撫でてくれたりすれば御の字だ。
あげ出したら切りがない気がする、止めよう。いくらでも出てきそうでちょっと怖い。振り返れば振り返る程、よくもまぁ自覚しなかったものだなと自分でちょっと呆れる。自分でもそう思うんだから、きっと他の人達は気付いていたんじゃないか。特に銀ちゃん。
もう、そう考えたら顔から火が出るというたとえがよっくわかった。何なら実践してみようか、今ならできるんじゃないかと思った。
そう言えば、銀ちゃんと私が居れば世界は回るとさえ言った事がある。あれ、いつ言ったんだっけ。一生懸命あんまり多くない記憶を探す。あ、姐御を取り返しに行った時だ。……しかもニコチンとアイツに言ったんだった! 最悪だ。アイツらにもう会えない。
そこら辺を片っ端から破壊したい衝動に駆られたが、何とか押さえ込む。落ち着け神楽、お前はやれば出来る子のハズだ。こんな所で目立つ行為をする訳にはいかない。下手をすれば当の本人達とご対面なんて事態になりかねない。
まぁ、そんな訳で気付いてしまった私は、どうしたかと言うと。しょうがないので家出を敢行したのだった。