キスしたい!!
Side:T
「大好きだよ。」
ポツリそう言われて全身がカッと熱くなった。
勢い任せで栄口を抱きしめ唇を重ねる。
さっき頬に感じただけじゃ物足りない。
もっともっと…
「ん…ふぁ…」
キスの合間に零れる言葉に刺激され、さらに深く絡めた。
しばらくすると、立つことが難しくなったのか、栄口がズルズルと下に下がっていくので、慌てて腰を掴む。
「はぁ…」
「大丈夫?」
心配になって顔を見ると、涙目で真っ赤な顔をした栄口がいた。
(…可愛い)
まだ息が整ってない栄口を、腰かけさせ、そのまま覆いかぶさるように抱きしめた。
反論も何もないので、もう一度キスしようとすると思いっきり胸を押し返された。
「今日はダメ。」
「なんで?」
「今日はもういっぱいいっぱいだから…」
「どーゆうこと?」
「…だから、ドキドキし過ぎて今日はもうムリ!!心臓壊れそう…」
「…」
栄口可愛い過ぎんだけど!我慢できなくて、胸でつかえている手を取ると、優しく触れるだけのキスをした。
「!?」
「へへ。ごめん!栄口が可愛い過ぎてキスしちゃった!!でも嫌じゃないんだろ?」
「…バカ」
ほら、そう言ってる顔だって、照れ隠しなのわかってる。
「俺も栄口のこと大好きだから、キスもしていい?」
真剣に目を見つめながら言うと、栄口は顔を真っ赤にしながら「うー」と唸って
「イチイチ聞かなくていいから!!」
と言って、自ら俺に抱きついてきた。
「んじゃ遠慮なく!」
俺はもう一度顔を近づけた。
想いあってれば、気持ちがおんなじなら…
俺らしく気持ちを伝えれば、ほらきっと伝わる…
ねぇ栄口…
――キスしたい!!――
(よし!キス出来たから次は…)
(なんかこれからもこんな風に田島に流されそう…)