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踊りましょう

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エリザはぼうぜんとした。
なにを言っているのか、この男は。
こんな、たくさんひとのいる、しかも注目を集めているところで。
頬にうっすらと熱を帯びてきたのを感じる。
いけない。
顔が赤くなってしまう。
赤くなったのを、まわりに見られてしまう。
そんなみっともないのは嫌だ。
そう思ったとき、美しく、それでいて軽やかな演奏が聞こえてきた。
ローデリヒさん……っ!?
驚いて、エリザはローデリヒのほうを見た。
眼が合った。
ローデリヒは穏やかに微笑んだ。
そして、すっと自然に眼を逸らし、演奏に集中する。
「おお、演奏が始まったぜ。じゃあ、踊るとすっかー。ほらほら、そっちの手も寄こせよ」
「……あんたねぇ」
「格好はそれでいいって言ってんだろうが。ああ、そうか、踊りに自信がねぇんだな」
ケセセセとギルは笑う。
そして、エリザの左手も強引につかんだ。
「踊りなんてもんはな、楽しければいいんだぜ」
心からそう思っている様子で明るく言い、少し身を寄せてきた。
踊り始めるまえの体勢になる。
直後。
「さっきは、おまえがいないとつまらねぇから捜した」
小声でギルが告げた。
なっ、とエリザは声をあげそうになって、口から声がでないように、こらえた。
なにを言っているんだ、この男はー!
そう胸の中で叫ぶ。
さっき庭にやってきたのは、大広間でだれからも相手にされなくて寂しかったからではなくて、エリザを捜してのことだったらしい。
そんなことを聞かされて、どうしろというのか。
まったく、まったく、まったく、だ。
「おい、踊りが苦手だからって、俺様の足、あんまり踏むなよ」
「そっちこそ、私の足、踏まないでよね」
いつものようなやりとりをしたあと、踊り始める。
ステップは、適当。
でも、楽しかった。














作品名:踊りましょう 作家名:hujio