二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」
国城 龍耶
国城 龍耶
novelistID. 24182
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

東方無風伝 多分7

INDEX|2ページ/2ページ|

前のページ
 

「くそっ」悪態を一つ。
 辺りは信じられない程に暗い。ルーミアが生み出した闇は太陽の光を受け入れないために、闇しか此処にはない。自身の身体すら見えない程だ。
 それでも耳を澄ませば風が木々を揺らす音が聞こえる。
 空間転移に巻き込まれたというわけではなさそうだ。それには少し安堵。
 わざわざルーミアが自分の間合いに入れてくると言うわけは、逃げる気なんて更々なくて、今この場で俺を仕留めようということか。
 視界が完全に殺された今、不利でしかない状況。
 さて、どうしたものか。

「貴方は私の闇から逃れることが出来て?」

 ルーミアの声が闇に響く。
 その声のおかげで一つ解ったことがある。それはこの闇が質量を持たないということ。
 もしこの闇が、質量をもち壁をも作れる程ならば、俺はこの闇から脱出することが出来ずに、嬲り殺されることだろう。しかし、彼女の声はトンネルさながら反響することがなかった。見たところ彼女の力は強いわけではない。ただ走り抜けば、闇から脱出することは容易だろう。

「なぁルーミア。あんたは何処にいるんだい?」

「さぁ何処かしら」

 ルーミアの楽しそうな声。この闇の中ならば自分が有利と思っているようで、彼女は本当に楽しそうにしているようだ。
 確かに眼には見えないが、それでも気配は感じ取れる。特に、風、強いては空気の流れを操ることが出来る俺は尚更だ。

「わくわくしない? こんな深い闇の中で、生死を賭けたかくれんぼなんて」

「おーにさーんこーちらー、てーのなーるほーへー」

「うふっ。面白いわね」

 ルーミアの笑い声に、遊びじゃないんだと突っ込んでやろうかと思ったが、悪乗りした自分がいるので、言えたことではないと気付いて止めた。

「それじゃ、鬼は人間を追いかけましょう」

 ルーミアの声が消える。彼女の声と同時に、なんだかすぐ傍にいた彼女が消えたかのような錯覚を覚える。今まですぐ近くに立っていて、突然離れたみたいだ。
 もしかしたら、そうだったのかもしれない。彼女は遊んでいるのだ。
 さて、こちらはこちらで、お遊びは終わりとしよう。
 彼女の気配を肌で感じながら、刀を構えた。
作品名:東方無風伝 多分7 作家名:国城 龍耶