鬼殺し 破
過去
~屍を喰らう鬼~
カァー
カァー
屍の山に一人の子供が屍の上で、握り飯を食べていた。
その時、子供の頭に長髪の男が大きな手をおき、クシャッとしながら
「屍を喰らう鬼が出ると聞いてみれば、君がそう?
またずいぶんと、かわいい鬼がいたのですねぇ。」
子供は男の手を払いのけ、警戒した。
そして、自分の身長より大きい刀をゆっくり鞘から出した
それを見ていた男は
「また、それも屍から取ったのですか?
童(わらじ)一人で屍の身ぐるみを剥ぎ、そうして自分を護ってきたのですね・・・
たいしたもんじゃあないですか。」
子供は警戒したままだったが、男は話を続けた
「だけど、もうそんな剣、もういりませんよ。」
子供は、少しだけ男のほうを見た。
「人に怯え、自分を護るためだけに振るって来た剣なんてもう捨てちゃいなさい。」
そういうと、自分の剣を取り、子供に、投げ渡した。
子供は、とてもびっくりしながら、よろめきながらも、受け取った
「くれて上げますよ。私の剣。そいつの本当の使い方が知りたければ、私についてくるといい。」
子供は、じっと、男の背中を見た。
「これからは敵を切るためではない。弱き己を斬るために。
己を護るのではない。己の魂を護るために」
子供は、男を信用したのか、男についていった。