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みっふー♪
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novelistID. 21864
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かぐたん&ぱっつんのやみなべ★よろず帳

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×月×日(2)

今日はおうちで大江戸☆カワイイTVごっこをやった。
サダちゃんのぶっとくりりしい眉毛ラインをねりねり小麦粉でいったん消して、マジックでちょいとハの字に書き足して、……じゃじゃーんっ☆ たちまちトレンドに乗ったラヴリー困り顔のいっちょあがり〜★
「や〜ん、かーわーいーいっ☆」
私は顎の下に両手を丸めてブリブリきゃっきゃした。
「……」
――きゅううん、サダちゃんがもふもふ鼻をスピスピした。やぁだぁサダちゃんたらホントに困ってるぅぅ〜、んもぅっますますラヴリー☆だゾッ★★
「……ワケのわかんねーモンが流行るなしかし、」
センシティヴのかけらも持ち合わせないおっさん天パが偉そうに腕組みして言った、
「いまさらメタモルフォーゼで嵐おこしてどーすんだっつの、さんざ後がつかえてるでしょーが、ジャムプとかジャムプとかあとho!sou!ジャムプとか!」
この点に関してはアナクロおっさんとも珍しく意見が合う、
「だったら私やおちん押しね、あの若さで、ヤツの大喜利ポテンシャルは半端ないアル、」
「いややっぱ彼でしょ、あの子はやるよ、現役アイドル初のオリンピック狙っちゃうよ、」
チネソたんのズバ抜けた運動能力に一目置いてる銀ちゃんと、てなカンジにわいわい盛り上がっていたところ、♪フンフフンフ、ツーステップでハミングしながらぱっつんが通りがかった。
「ダレですかそれっ」
「いーからオマエはバカチコ懐メロでも聞いてろよ、」
最近のぱっつんのウカレっぷりに少々うんざりした様子に銀ちゃんが言った。
「えー、ボクでっかいメロンのがイイですぅ〜」
ぱっつんがダダっ子ポーズに口を尖らせた。ハッキリ言って誰得の、ザ★大江戸カワイクないTVショウである。
「だからソレがバカチコだろが!」
銀ちゃんがいよいよイラチ気味に遮った。おそらくけいばかすろっとで懲りずに負けが込んでいるのだろう。
「あっ違った仮面のほーだ、……ウフフマ夕゛オさんがね、コレ着けてムチびしばしシバいたらどーだいって、」
まるで空気を読まず、ぱっつんはぽけっとからデュヤ!ギンギラの羽仮面を取り出してみせた。
「じゅんちょーにダメ方向に育ってんなオマエ……」
諦めのため息混じりに銀ちゃんが言った。
「ちょっとずつダメになっていくのと、生まれたときからぜつぼー的にダメなのとどっちがマシあるか?」
二人のやり取りを見ていて、私はふと心に浮かんだそぼくなギモンを口にした。
「何なのオマエケンカ売ってんの?」
途端に片眉ひくひくさせながら銀ちゃんが言った。私はやれやれのぽーずを取った。
「ダレも銀ちゃんのこととは言ってないね、……ま、自覚があるならまだマシかしんないアルな、救い様ないけど」
「……。」
ムッとしながらも銀ちゃんは黙った。
――そりゃいちおうオトナだもんね、私みたいなコドモの言うこといちいち真に受けないよね、そのときはまだ私は胸に微かな希望を持っていた。


その日の晩ゴハン、盛り付けを買って出た銀ちゃんが私の分のコロッケをこっそり1コ横領していたことが発覚した。
(……。)
つくづくこんな大人にはなるまい、私はかたく心に誓った。


+++