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だぶるおー こらぼでほすととりぷる

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「すいません、とても、そんな暇はないです。こいつらに手がかかって、自分まで手が回らない。」
 あはははは・・・と、ニールは笑っている。まあ、こんな個性的なのを世話していたら忙しいだろうと橘も納得はする。自分は、千影だけで精一杯だ。
「というか、兄さんは、枯れてて全然だよな? なんで同い年なのに、そんなに覇気がないかなあ。」
「よく言うよ。おまえが信じられねぇーくらい暴走してるだけじゃねぇーか。」
「だって、刹那って格好良いんだもん。もう、見てるだけでメロメロっていうの? 」
「人前で言うなっっ。ていうか、おまえ、食べながら喋るな。・・・刹那、そこまでだ。皿、舐めるなよっっ。」
 いちいち、ツッコミしているのを目にすると、わぁー苦労してるなーと橘も同情したくなる。
「大変だな? あんた。」
「いや、もう慣れてるから。・・・すいません、ホールケーキを二個にしてください。これじゃあ、足りなさそうだ。」
 この後、出勤したら、店に差し入れしようと思っていたが、刹那が、この調子では悟空とキラだけでホール一個が必要だろう。
「どっか行くのか? 」
「これから出勤です。俺たちは、『吉祥富貴』のスタッフなんです。」
「ああ、トダカさんとこの人間か。なるほど。あそこじゃ二個でも足りねぇーな。焼き菓子を、おまけしてやるよ。」
 一部で有名なホストクラブ「吉祥富貴」は、橘も知っている。というか、元々、トダカと以前の仕事で顔を合わせてから教えてもらった。かなり特殊な職歴のホストが揃っていると聞いているが、なんてなく納得した。この集団を見ていれば、どんなのがいるのかわかる気がする。もちろん、小野も知っているが、そこは審査が厳しいので有名で入ることはできないでいた。
「もっもしかして、僕も紹介とかしてもらえます? 」
「大丈夫だと思いますよ。」
「こらっっ、小野。ホストクラブだってぇーのっっ。おまえ、対象外だろっっ。」
「いや、橘、目の保養になりそうで・・・」
「行くなら、千影も連れて行け。」
「・・・う・・・」
「男性のお客様もいらっしゃいますから大丈夫です。」
「そうなんですか? 指名してもいいですか? 」
「あー俺は裏方なんで、ライルでもいいですか? 」
「え? 裏方なんですか? ニールさん。」
「ええ、裏方です。」
「ニールはダメだ。酒が飲めない。」
「申し訳ないが、ニールはダメです、小野さん。ライルなら、好きにしてくれて構わない。」
「おーい、ティエリア? 俺、刹那専用だから。兄さんの代わりになりそうなのが、一杯居ますんで、見てから指名したほうがいいですよ? 小野さん。」
「えーっと、つまり、ニールさんはダメと。残念だなあ。」
「なんでもいいけどよ、小野。千影が、たぶん裏で泣いてるからな。さっさと慰めて来いよ。アレルヤ、店番してくれ。」
 カランと音がして、新しいお客が入ってくる。案内のために、橘は、声をかけて、その席から外れたが、世の中には自分みたいな世話好きもいるんだなあ、と、微笑んだ。