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世界が幸福に包まれる

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※臨帝とちっさいサイ学が一緒に暮らしてます。









何時もより手の込んだ料理とか、冷蔵庫にあるケーキとか。何処か何時もよりも嬉しそうに笑う彼の姿だとか。
臨也が出かけてから目に付くそれらに、サイケと学人は目を合わせて首を傾げる。一体今日は何の日なんだろう。
その正体を彼らは知らない。だからとたとたと、キッチンで作業をしている帝人のもとへと駆けて行き、その疑問をぶつけることにした。
くいくいとエプロンの裾を引っ張れば、視線が二人へと向けられる。そして優しく微笑むと、しゃがみ込み視線を合わせて「どうしたの?」と首を傾げた。

「あのね、帝人君」
「なぁに?どうしたのかな?」
「今日は何の日なの?帝人君すっごく嬉しそう!」
「大切な日、なんですか?」

大きな瞳で帝人を見つめて二人は尋ねる。するとあぁ、と帝人は納得して瞬きをした。

「今日はね、臨也さんの誕生日なんだよ」
「たんじょーび?臨也君の?」
「誕生日って、えっと……生まれた日、のことですか?」
「そう、だから生まれてきてくれてありがとうってお祝いするの」

だから二人も一緒に「おめでとう」ってお祝いしようね。
そう本当に嬉しそうに笑う帝人を見て、サイケと学人は同じことを思っていた。

本当に、この人は臨也のことが好きなのだと。