鷹の人4
ミカヤの琥珀の瞳に、必死な色は変わらず見え隠れするが、それでも彼女は顔を上げ、断言してみせる。サザは不愉快そうに鼻を鳴らすが、殊更に否定してみせるわけでもない。
「もとよりこの場にあれば、自ずとそうなろう。それにな、そなたの指揮下にはいることも、悪くないと思えている、デイン王ペレアス」
「私はただ、女王の傍に、おります」
ニケの言葉を受けたラフィエル、オルグの両名もまた、それぞれに決意は変わらぬ旨を示す。
「私に異存は、ありません。最初からそのつもりですから」
クルトナーガの笑みは、童顔である事も手伝い、場違いなほどに空気を和ませるようだ。その裏にある決意の程など、伺いようもない。
「そう、……そうか。ありがとう……皆、有難う」
この場に及んで、おそらく初めてだろう。ペレアスは、その堅かった表情に、初めて柔らかなものを、うかべた。