二人の気持ち
最近の榛名は疲れているような気がする・・・
教室ではよくため息をつくしかと思ったら不意に外を見ていたり、なんかあったのかな?
気のせいならいいんだけど・・・・・・。
榛名は自分の体調のことを他人に言わない、自分の体のことについては誰も信じないからだ。その現況は中学の時のあるコトがきっかけだ・・・それは俺も知っている。
今日は朝から暑い日だった昼を過ぎるとその暑さもピークに達していた。5時限目、秋丸のクラスは体育で外でバスケをしていた。いつものことだが榛名は皆から離れた場所で体育を見学している、指を怪我したらいけないからだ。
「あっちぃー!!」「やっと終わった~」
バスケの試合が終わりチームの奴等が服の首元をつかみパタパタとはためかせていた。
確かに暑いな。風もなく、さっきより暑くなってきている気がするけど――・・・
・・・・・・榛名、大丈夫かな・・・?
秋丸は榛名の座っているだろうと思われるほうを見た。
そこにはいつもみたく仏頂面で仁王立ちしている榛名はみられない。
その代わりにその場で崩れている榛名がいた。
「―――はるっ・・・!!?」
秋丸は一瞬そこに立ち尽くした
「あれっ?榛名倒れてるじゃん!!」
秋丸の隣で服をはためかせていた奴が声をあげる。その声に我に帰った秋丸は榛名のところに駆け寄る、
「榛名・・・榛名?」
頬を軽くたたくが榛名はうぅっとうめくだけでぐったりとしている・・・
もしかして・・・・・・
そう思って額に手を当てると軽く触るだけでも分かるぐらいの熱があった。
「熱中症か・・・・・・」
ぐったりとしている榛名を背負って体育の教師に声をかけて保健室へ向かった。
ったくこいつ見た目のわりに重いなぁ!
保健室に行くと保健医は出張中でいなかった。
えぇ~!!こんなときに限って・・・
仕方なく秋丸は榛名をベットに寝かせた。授業に戻ろうかと榛名に背を向けようとした時だった・・・
グイッと腕を引っ張られる。
「・・・へ?」
秋丸は後ろを振り返った
ベットに寝かせておいた榛名の手が秋丸の腕をつかんでいた。
「は・・・榛名・・・??」
秋丸の腕をつかんでいた榛名の顔は熱のせいか虚ろだった。
「・・・きま・・・る・・・・・・」
榛名が口を開いた。聞き取りづらかったが秋丸の名前を呼んだようだった。
「ん?なんか飲み物いる?」
秋丸とって来るよ、とつかまれたままの腕を外そうとしたけどその手に榛名が力を加える。
「・・・・・・な・・・」
「え・・・何?」
「どっかにい・・くな・・・ここに・・・」
ここにいろよ・・・それだけ言うと榛名は眠ってしまった。
おいおいおいおい!それってどうゆう意味ですか?!
熱で頭いかれちゃってるよ・・・
授業に戻らないといけない、そんなことは分かっている・・・だけどなぜだかここに居たいと思ってしまう。
俺・・・とんでもねぇよな
思わずため息をついてしまった。
すると急に睡魔が襲ってきた、あーヤバ・・・眠いかも・・・・・・
そのまま榛名の眠るベットの端に頭を乗せて眠ってしまった。
榛名元希がマウンドで球を投げている。
速いな・・・・・・
俺も捕ってみたいな
そんな願いがかなったのか俺は今榛名のキャッチャーになっている。嬉しい反面たまに、ふとした時にあるの顔が浮かぶ・・・・・・
阿部隆也。
中学の時誰も寄せ付けなかった榛名のキャッチャーをしていた男だ一個下なのにすごいな・・・最初はそう思ってただけだった。だけど日を追うごとに榛名の口からタカヤって言う単語がでてくるのが嫌になった。
タカヤの話をする時の榛名の顔はいつもうれしそうだったから・・・
もうやめてくれよ・・・そんな時だった唐突だった・・・・・・
あの春の大会・・・
さっきまで近くに居た榛名がいない
あいつどこ行った?
辺りを見回していると―――
「タカヤ!!」
榛名の・・・声?
「タカヤ! テメーこっち来いっつってんだろ!!」
演壇席に向かって榛名が叫んでいる。
ユニフォームを着た奴等が榛名を見てビビっている
なっ!あいつ何やってんの!!?
「タカヤ!」
・・・榛名がまた叫ぶ
演壇席のほうから一人の男が歩いてきた
あれがタカヤか・・・・・・
タカヤは思っていたよりも細身だった。
アイツがあの体が榛名の球を捕っていたんだな。
その頃の秋丸は榛名から何度もタカヤについては聞いていた、中学のシニアで榛名とバッテリーを組んでいて
かなり生意気だけどすごいキャッチャーだって榛名が珍しくほめてたな
正直あんな榛名を見たのは初めてだった。このとき秋丸は胸が苦しくなった・・・何でだろう・・・・・・。
演壇席にはタカヤのチームメイトらしき奴等が居たけど急に来た榛名に心底驚いてる様だった
はぁ・・・しかたないなぁ
秋丸はベンチを出て榛名のほうに行こうとする
「ちわす」タカヤが迷惑そうな顔をしながら挨拶をした。
「お前どこ入ったんだよ!」
榛名がタカヤに話し掛けている
あ・・・またなんか胸が苦しいな・・・・・・
「西浦っす」
タカヤが答える
「ニシウラ? どこそれ?」
榛名が考え込んでいる
「西浦だよ同じ地区だろ!」
気づいたら秋丸は榛名のところに駆け寄っていた
「ええ? 野球部ある?」
そんな会話を少しした秋丸はなんとなく気分が良くなくてついついきつく言って榛名をベンチに連れ帰った。
そんな中試合が始まった
その日の試合は守備からだったのでチームが攻撃に入ったときに榛名と一緒にブルペンに入った。
榛名がボールを投げる
「ナイスボール!」
秋丸は榛名にボールを返す、それを数回繰り返してチェンジになった。
浦総の攻撃は一点を取って終わった。武蔵野の攻撃・・・秋丸たちはまたブルペンに入った。
一球投げた後榛名は秋丸に座れと合図した。秋丸が座ると榛名は腕を振り上げ・・・投げる。
シュゴォという音とともにボールが秋丸のミットに向かって飛んでくる――・・・
ドンッと、秋丸のミットに突き刺さった。
「いいねーえ!!」
俺はミットに突っ込んでくる・・・そんでもって俺の胸にも突っ込んでくるようなこのボールがスキだ。
試合は進み四回の表、榛名がマウンドに立った。榛名はすぐに三振をとった、そしてスリーアウトチェンジ。榛名のおかげで武蔵野は点をとられることなく、4点を返した。
そして4対3で最終回をむかえた・・・
ツーアウトノーランナーでボールカウントは2-1、ストライクをあとひとつとれば秋丸たちの勝ちだった。
いきなり榛名は三塁側をみた・・・・・・
なんだ?
秋丸が榛名の目線の先を見るとタカヤが居た榛名はタカヤのほうをみてボールを入れたままのグローブを顔の前で素早く動かした。まるで何かの合図みたいだった。
榛名をみてタカヤが驚いていて隣に居た奴が何か呟いた、するとタカヤはチームメイトと見られる背の小さい奴に声をかけていた。
前に向き直った榛名が力強く振りかぶる・・・腕が思いっきり振られ、
ボールが轟音を放ちながらミットに突っ込む
全力投球・・・・・・・・・
キャッチがボールをこぼしてしまいランナーが出る。キャッチがタイムをかけた、榛名は帽子を脱いで顔をふり謝罪を入れる。でもその顔はなんだか気持ちよさそうだった
教室ではよくため息をつくしかと思ったら不意に外を見ていたり、なんかあったのかな?
気のせいならいいんだけど・・・・・・。
榛名は自分の体調のことを他人に言わない、自分の体のことについては誰も信じないからだ。その現況は中学の時のあるコトがきっかけだ・・・それは俺も知っている。
今日は朝から暑い日だった昼を過ぎるとその暑さもピークに達していた。5時限目、秋丸のクラスは体育で外でバスケをしていた。いつものことだが榛名は皆から離れた場所で体育を見学している、指を怪我したらいけないからだ。
「あっちぃー!!」「やっと終わった~」
バスケの試合が終わりチームの奴等が服の首元をつかみパタパタとはためかせていた。
確かに暑いな。風もなく、さっきより暑くなってきている気がするけど――・・・
・・・・・・榛名、大丈夫かな・・・?
秋丸は榛名の座っているだろうと思われるほうを見た。
そこにはいつもみたく仏頂面で仁王立ちしている榛名はみられない。
その代わりにその場で崩れている榛名がいた。
「―――はるっ・・・!!?」
秋丸は一瞬そこに立ち尽くした
「あれっ?榛名倒れてるじゃん!!」
秋丸の隣で服をはためかせていた奴が声をあげる。その声に我に帰った秋丸は榛名のところに駆け寄る、
「榛名・・・榛名?」
頬を軽くたたくが榛名はうぅっとうめくだけでぐったりとしている・・・
もしかして・・・・・・
そう思って額に手を当てると軽く触るだけでも分かるぐらいの熱があった。
「熱中症か・・・・・・」
ぐったりとしている榛名を背負って体育の教師に声をかけて保健室へ向かった。
ったくこいつ見た目のわりに重いなぁ!
保健室に行くと保健医は出張中でいなかった。
えぇ~!!こんなときに限って・・・
仕方なく秋丸は榛名をベットに寝かせた。授業に戻ろうかと榛名に背を向けようとした時だった・・・
グイッと腕を引っ張られる。
「・・・へ?」
秋丸は後ろを振り返った
ベットに寝かせておいた榛名の手が秋丸の腕をつかんでいた。
「は・・・榛名・・・??」
秋丸の腕をつかんでいた榛名の顔は熱のせいか虚ろだった。
「・・・きま・・・る・・・・・・」
榛名が口を開いた。聞き取りづらかったが秋丸の名前を呼んだようだった。
「ん?なんか飲み物いる?」
秋丸とって来るよ、とつかまれたままの腕を外そうとしたけどその手に榛名が力を加える。
「・・・・・・な・・・」
「え・・・何?」
「どっかにい・・くな・・・ここに・・・」
ここにいろよ・・・それだけ言うと榛名は眠ってしまった。
おいおいおいおい!それってどうゆう意味ですか?!
熱で頭いかれちゃってるよ・・・
授業に戻らないといけない、そんなことは分かっている・・・だけどなぜだかここに居たいと思ってしまう。
俺・・・とんでもねぇよな
思わずため息をついてしまった。
すると急に睡魔が襲ってきた、あーヤバ・・・眠いかも・・・・・・
そのまま榛名の眠るベットの端に頭を乗せて眠ってしまった。
榛名元希がマウンドで球を投げている。
速いな・・・・・・
俺も捕ってみたいな
そんな願いがかなったのか俺は今榛名のキャッチャーになっている。嬉しい反面たまに、ふとした時にあるの顔が浮かぶ・・・・・・
阿部隆也。
中学の時誰も寄せ付けなかった榛名のキャッチャーをしていた男だ一個下なのにすごいな・・・最初はそう思ってただけだった。だけど日を追うごとに榛名の口からタカヤって言う単語がでてくるのが嫌になった。
タカヤの話をする時の榛名の顔はいつもうれしそうだったから・・・
もうやめてくれよ・・・そんな時だった唐突だった・・・・・・
あの春の大会・・・
さっきまで近くに居た榛名がいない
あいつどこ行った?
辺りを見回していると―――
「タカヤ!!」
榛名の・・・声?
「タカヤ! テメーこっち来いっつってんだろ!!」
演壇席に向かって榛名が叫んでいる。
ユニフォームを着た奴等が榛名を見てビビっている
なっ!あいつ何やってんの!!?
「タカヤ!」
・・・榛名がまた叫ぶ
演壇席のほうから一人の男が歩いてきた
あれがタカヤか・・・・・・
タカヤは思っていたよりも細身だった。
アイツがあの体が榛名の球を捕っていたんだな。
その頃の秋丸は榛名から何度もタカヤについては聞いていた、中学のシニアで榛名とバッテリーを組んでいて
かなり生意気だけどすごいキャッチャーだって榛名が珍しくほめてたな
正直あんな榛名を見たのは初めてだった。このとき秋丸は胸が苦しくなった・・・何でだろう・・・・・・。
演壇席にはタカヤのチームメイトらしき奴等が居たけど急に来た榛名に心底驚いてる様だった
はぁ・・・しかたないなぁ
秋丸はベンチを出て榛名のほうに行こうとする
「ちわす」タカヤが迷惑そうな顔をしながら挨拶をした。
「お前どこ入ったんだよ!」
榛名がタカヤに話し掛けている
あ・・・またなんか胸が苦しいな・・・・・・
「西浦っす」
タカヤが答える
「ニシウラ? どこそれ?」
榛名が考え込んでいる
「西浦だよ同じ地区だろ!」
気づいたら秋丸は榛名のところに駆け寄っていた
「ええ? 野球部ある?」
そんな会話を少しした秋丸はなんとなく気分が良くなくてついついきつく言って榛名をベンチに連れ帰った。
そんな中試合が始まった
その日の試合は守備からだったのでチームが攻撃に入ったときに榛名と一緒にブルペンに入った。
榛名がボールを投げる
「ナイスボール!」
秋丸は榛名にボールを返す、それを数回繰り返してチェンジになった。
浦総の攻撃は一点を取って終わった。武蔵野の攻撃・・・秋丸たちはまたブルペンに入った。
一球投げた後榛名は秋丸に座れと合図した。秋丸が座ると榛名は腕を振り上げ・・・投げる。
シュゴォという音とともにボールが秋丸のミットに向かって飛んでくる――・・・
ドンッと、秋丸のミットに突き刺さった。
「いいねーえ!!」
俺はミットに突っ込んでくる・・・そんでもって俺の胸にも突っ込んでくるようなこのボールがスキだ。
試合は進み四回の表、榛名がマウンドに立った。榛名はすぐに三振をとった、そしてスリーアウトチェンジ。榛名のおかげで武蔵野は点をとられることなく、4点を返した。
そして4対3で最終回をむかえた・・・
ツーアウトノーランナーでボールカウントは2-1、ストライクをあとひとつとれば秋丸たちの勝ちだった。
いきなり榛名は三塁側をみた・・・・・・
なんだ?
秋丸が榛名の目線の先を見るとタカヤが居た榛名はタカヤのほうをみてボールを入れたままのグローブを顔の前で素早く動かした。まるで何かの合図みたいだった。
榛名をみてタカヤが驚いていて隣に居た奴が何か呟いた、するとタカヤはチームメイトと見られる背の小さい奴に声をかけていた。
前に向き直った榛名が力強く振りかぶる・・・腕が思いっきり振られ、
ボールが轟音を放ちながらミットに突っ込む
全力投球・・・・・・・・・
キャッチがボールをこぼしてしまいランナーが出る。キャッチがタイムをかけた、榛名は帽子を脱いで顔をふり謝罪を入れる。でもその顔はなんだか気持ちよさそうだった