二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」
物体もじ。
物体もじ。
novelistID. 17678
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

ロックマンシリーズ詰め合わせ

INDEX|2ページ/14ページ|

次のページ前のページ
 

02/秘めごと (ロックマンエグゼ・炎熱)



 絶対に、言わないと決めたことがある。






 一体どこで売ってんだソレ、という疑問は、口に出さない。

 どうせオーダーメイドだろう。嫌味な奴。

 というかなんでそんなのかけてんだよ?

 確かに乱視気味、とは聞いたことあるけど、それが必要な場面とは思えないんですけど。

 営業用のスカした顔も微笑も何度も見たことのあるものだけど、それがいつもの5倍くらいは気に入らない。


 何だその格好。何だその顔。何なんだよお前。



「……ムカつく」

『ね、熱斗くん?』



 と言うか、どこ行くんでも大抵は私服で通してるくせに。なに気取ってんだ。

 本当なら、俺たちみたいのが着たら、おかしいはずなのに。もし俺が着ようもんなら、「七五三」とか言うに決まってんのに。

 心底、本当に、気に入らない。イライラする。



『熱斗くん。ねえ、どうかしたの?』

「………………あーっくそ!!」

『熱斗くんっ!?』



 振りかぶって第一球!


 力いっぱい壁に投げつけた雑誌がべしゃっと情けない音を立てて、床に落ちる。ざまあみろ。

 ベッドの上に仁王立ちになって、それでもムカムカが収まらなくて、俺はもう見えない雑誌の記事を睨みつけた。


 ほとんど内容なんて分からない経済雑誌なんて手に取ったのは、他でもないあいつの口から聞いたタイトルだったからだ。

 思わず買ってしまったのは、カラーページにあいつの姿を見つけたからだ。


 それが、こんなに腹が立つなんて。



「……炎山のバーカ」



 八つ当たりだって、分かってる。もし面と向かって言えば、呆れられて、それでも許されて受け入れられるのも、分かってる。

 だけど、それが余計に腹が立つのだ。

 見えなくたって、目に焼きついてしまったあいつの姿。


 まるで大人みたいにスーツを着て、インテリぶって、眼鏡をかけて。

 余裕の笑みでインタビューに答える副社長。


 何だよ。何だよお前。


 俺と同い年のくせに。けっこうガキっぽいとこ、あるくせに。

 何で、俺には出来ない顔が、出来るんだよ。



(置いてくなよ)



 思ったことは、死んだって口になんか、出さない。

 置いてくっていうか、最初から、差があったのかもしれないけど。

 そんなこと、教えてだって、やるもんか。



「―――決めた」



 次に会ったら、もぎ取ってやる。俺の前でまで、澄ました顔なんか、させるものか。


 遠くになんか……行かせてやるものか。



「ロックマン!」

『……何?』

「メール、お願い」

『はいはい。炎山くんにだね』



 俺は、そんなお前なんか、知るもんか。せいぜいそうやって笑ってろ。

 壁際でべしゃりと丸まったままの雑誌に、宣戦布告。



 今に見てろ。あっと言う間に、追いついて、追い越してやる。




 それから焦ったって、遅いんだからな。