スピアソング
あの娘に言ったことは真実だ。アロウズに所属するものは、皆高潔とも言える志をもったものばかりである。単に戦で飯が食いたいだけのならず者ならば、選抜されて地球連邦軍に回されるのがおちだ。あの娘ならば、この戦が終われば戦いのない、穏やかな『日常』に戻る事が出来るだろう。月日がMSのことも、一時でも軍に所属していたという過去をも忘れさせてくれるだろう。
だが私は?戦う以外の方法が思いつかない。己の意志で、己のエゴで、私はMSを駆り、刀を振るい、ガンダムと戦うのだ。そのためだけにこの醜い、無様な体を引きずって生きてきた。そう、己自身でエゴだとわかっている。幼い行動原理である。だがどうすることも出来ない。
戦う以外の方法が、思いつかない。
なにも!
なにも!
なにも!
ガンダムと戦うという、そのためだけに!
ならば、これしか出来ない私はどうしたらいい?
【終】