帝人受けまとめ
静帝 静雄とうさ帝人
トムは目を瞬かせながら、静雄の胸から顔を出している動物を指さす。
「あー・・・静雄、それなんだ?」
「うさぎっすね」
静雄が何を当たり前なことを、という顔でトムを見つめる。
「・・・いや、まぁ、ウサギだけどなぁ。いや、でも・・・なぁ・・・?」
トムはまじまじとウサギ、と言われた動物を凝視するが、どこをどうみてもそれは通常のウサギではなく。
小さい子供にウサ耳が生えた生物であった。
「ウサギっすよ。ウサギは寂しくなると死んでしまうって聞いたもんっすから、
こうして、一緒に居るんです」
「あ、あはは・・・そ、そうか・・・。あー・・・よし、まぁ、仕事行くか」
「うっす」
もぞもぞと静雄の胸にいた帝人は耳をぴょこぴょこ動かしながら、静雄を見上げた。
「しずしゃ!しずしゃ!お仕事なーに?なーに?」
「ん?俺の仕事はな、そうだなぁ。まぁ、金を返せっていう仕事だな」
「ふーん。忙しい?僕、一緒へーき?」
静雄は顔をゆるめながら、帝人の頭をとても力を加減して撫でてやる。
帝人はへにゃり顔をほころばせ、とても嬉しそうだった。
「ばーか。お前だから一緒が良いんだよ」
「しずしゃ優しい」
「んなことねーよ。お前の方が優しいって」
「そう?」
「あぁ」
そんな1人と1匹のやり取りにため息を吐きながら、トムは思った。
(・・・俺いずらいんだけど・・・)
その日、池袋最強の男がどういうわけかとても機嫌が良く終始笑っていたと、池袋の人間達は驚いていたそうだ。