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帝人受けまとめ

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六臂帝 猫六臂と帝人2



「あ、ははは!気持ち悪いなぁ気持ち悪い!どうしてこう人間って気持ち悪いのだろう!」

六臂は拳銃を乱射しながら、最早動かない骸に何発も何発も鉄の玉を喰らわす。
その狂った黒猫の姿に、同胞達はまるで汚物でも見るかのような視線を送る。

「全く人間って下等で本当に嫌になる!ふふ、あははは!」

黒く長い尻尾をフワフワ揺らし、黒猫は下卑た笑いを止めようとしない。
そんな六臂の姿に、とうとう同胞の1人が動き出し、拳銃を持つ手を勢いよく掴んだ。

「いい加減にしろ六臂!玉の無駄だろっ」

六臂はそんな同胞に紅い禍々しい瞳を向ける。
そして嘲笑うかのように口角を上げ、掴まれた腕を振り払う。

「触るなよ、腰抜け」

「っ」

「お前達はみーんな腰抜け!殺しは全部俺がやったようなもの!
ふ、ふははは!どうしてこんな醜い生き物に心を痛めるのか、俺には全く解らないね!まぁ、理解したくもないけど!」

六臂はケラケラ笑いながら拳銃をしまうと、そのまま立ち去ってしまった。
同胞達は苦虫を噛み潰したように顔をゆがめながら、そんな六臂の背中を見つめ続けた。


(まったく、何なんだろうねぇ。戦わないと殺されるのに。あんな気持ち悪い生き物、滅んでしまえばいい)

六臂は暗くなってきた路地の塀を器用に尻尾を使って歩く。その足取りはとても軽やかだ。
ふと、誰かの囁く声が六臂の耳に届いた。ぴくっと耳を揺らし、その声の方に向かって優雅に塀を跳び越える。

(何だろう、ふふ、面白いことだったらいいなぁ!)

地面に着地し、また飛翔する。その姿は闇にとけ込み、誰にも姿を見られることはない。

「っ・・だ・・・け・・・・な・・・」

「で・・・だ・・・・そ・・・ん・・・・!」

段々とその声が大きくなり、何を話しているのかまでは解らなかったが、片方がすすり泣いているのは理解できた。
そして塀の上から、その声の主達を見つけて、六臂は肩を降ろす。

(なーんだ。人間かよ)

六臂はつまらない、と呟いて腰にある獲物に手をかけようとしたその時、人間達の言葉に目を見張る。

「しょうがないだろ!諦めろ、俺達にはもう養っていけないんだよっ」

「でも、でもっ!帝人はやっぱり私たちの子供でっ」

「じゃぁ、俺達が死んでも良いのか!?あの子は一番弱くて小さいんだ、しょうがないんだよっ」

人間は2人いて、片方は男、片方は女だった。男は泣いている女の腕を引きずるようにしてその場を後にしようとする。
女はどうしても未練があるのか、足をその場にとどめようと踏ん張るが男の引力に逆らえるはずもなくズルズルと引きづられていった。
女のすすり泣く声が聞こえなくなり、人間の気配が無くなると六臂は辺りをキョロキョロと見渡し、
そして少し離れた場所に人の気配を察知した。
塀から塀へ歩きながら、少し広がった路地に座り込んでいる子供を見つけた。
そして、飛び降りて人間達が置いていった子供のそばに立ちつくす。

「ねぇ、お前・・・捨てられたの?」

「え、えっと・・・、その、ようですね?」

子供は突然現れた六臂に驚いているのか、何度も瞬きを繰り返す。
その場にしゃがみ込み、まじまじと捨てられた子供の顔を見つめた。
子供はそんな六臂を、どう思ったのであろう。蒼い瞳を細めて、ふわりと笑った。
その笑みに、六臂は息を詰める。

「何でお前、笑っていられるの?捨てられたんだよ?」

「家族が生きていくには、僕は要らない子ですから。これでいいんですよ」

六臂は眉を八の字にすると、綺麗に笑う子供の前に尻尾を差し出した。
そしてその尻尾で、やわやわと子供の頬を撫でる。その、涙の後がある頬を。

「あ、あの・・・」

「俺はさ、人間が嫌いなんだ。下等で身勝手で醜い、お前達が」

「え、あ、はぁ・・・」

「だから、ホントはお前も嫌いなハズなんだ」

「そう、なんですか?」

「うん、そうなんだよ」

「でも、貴方はとても、その・・・失礼ですけど、優しいですよ?」

「うん、俺も不思議」

六臂はそのままため息を大きくはき出すと、子供を抱きかかえてしまった。
子供は六臂の突然の仕草に目を見開く。

「え!?」

「なんだろうねぇ、どうしてだろう?俺も不思議。でも、うん、お前は良いかもしれないって思った」

「へ?」

「お前さ、名前、帝人って言うんでしょ?」

「あ、は、はい」

ぎこちなく頷く帝人の瞳には不思議と恐怖の色は見られない。
敵である存在に抱きかかえられているというのに。

「帝人、お前は俺は平気かもしれない。お前だけは特別なのかもしれない」

「はい」

「でも、やっぱりお前も俺が嫌う人間達と一緒だと解ったら、殺すかもしれない。俺はそういう奴だ」

「はい」

「それでも、俺と来ない?命の保証はない、俺の場所に?」

普通はこんな事を言われて頷く子供はいないと六臂は頭の中で呟いた。それでも確認をしておかなければ、と柄にもなく思ったのだ。
しかし、予想を反して子供は素直に頷いた。

「はい、僕はどうせここで死ぬ運命でしたし。お願いします。僕を連れて行ってください」

「ふっ、ふははは!いいよ!これから俺と君は『家族』だ!よろしくね、帝人!」

「はい、よろしくお願いします」

六臂は帝人を抱きかかえたまま、尻尾をゆらゆら揺らして闇の中へと姿を消してしまう。
その後の2人がどうなったのかは、また別のお話。


作品名:帝人受けまとめ 作家名:霜月(しー)