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ヒーロー、ハンター、地味なオレ!

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その日を境に、恐ろしいことに常磐津はまっつんの事を非常に好いてしまったようだった。
勿論まっつんはそれを全面的に、全身全霊で拒否したが、最近ではもう常磐津のことばかり考えている。それもそうだ。一年間毎日のように学校の前で待たれた挙句、二人で居ればそれはもう「俺たちと戦え」と言わんばかりのハクもついてしまっている。お前らは危ないから着いてくるな、との命が下されている以上、俺たちが何を出来るわけでもない。と、いうより、巻き込まれて死に掛けるのがオチだ。
「俺たちが強ければこんなことにはならなかったのに」
「今更そんな初歩的なところ後悔してもしょーがねーだろ……あの二人はちょっと次元が違いすぎんだよ」
「なにせまっつんのおと……妹まで負かしちまったんだもんな、アイツ」
「……ありえねー」
暇で暇でしょうがない俺たちが話すことといえば、どうすれば常磐津の魔の手からまっつんを救えるかどうかだとか、そんな下らない、非建設的なことばかりで、当然のことながら盛り上がりにも欠ける。最終的には一年前にあった地獄を思い出して身体の温度が一気に下がるだけで、会話に意味などどこにもなかった。まっつんがいないと盛り上がらねえなあ、あとちょっとで卒業だっていうのに。
「常磐津、この前勝手にクラス来た時、まっつんと同じ高校行くつってたぜ」
「首高だろ?」
「やっぱ知ってたか」
「俺そこ受けるし」
「俺も」
「俺もー」
「……考えてることは同じ、ってわけか」
あーあー、なんでこんなことになっちまったのかなあ。もしかしてこれは、嫌な意味で必然だったのかもしれない。どうせ俺たちはまっつんについて行って同じ高校に入っていただろうし、出会っていなかったとしても、常磐津はまたどこか別の場所で遭遇していたに違いないのだ。まっつんがいつか常磐津に心を許してしまうその時を、俺たちは同じ空間で過ごしていなければならないのだろうけれど、その時が来るまでずっと病んでいる自分なんてもっと考えたくない。それでも同じ高校へは行きたい。ごちゃごちゃとまとまりのない考えを一言で纏められれば楽なのに、そんな便利な言葉を、喧嘩しらない中学三年生は知るはずもないのだ。

「俺がもっともっと強けりゃなあ」

同じことを繰り返すだけの口先にも、嫌気がさしているんだけれど。
居場所を奪われる恐怖、自分の弱さ、まっつんへの不思議な感情。全てひっくるめて、表せる言葉があればいいのに。答えは見つからない。俺と同じことを考えているであろう、周りのこいつらだって、見つけられはしない。
両のてのひらを顔に押し付けて、はああああ、と、心の底からため息を吐き出すしかなかった。

本日はお日柄もよく、常磐津は相変わらずまっつんにべったりでしょうね。
あーイヤだ。想像するだけで気分ワリィ!