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お掃除ギルベルトさん。菊編

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気になるもののスカートを捲る訳にも、更に視線を下げて覗く行為は痴漢になってしまう。流石にそこまで変態ではない。自分が変態と化す場所は二次元の中だけだ。
(ああ、スカートに中が見たい。…野郎ですけど…)
もぞもぞ動くアレは何なのだ?…合法的にスカートの中を知る術はないのか…。
(ありました!)
本田はにんまりと心の中で笑う。それには気付かず、ギルベルトは本田を振り返った。
「ほぼ、片付け終わったけど。他にやって欲しいことってあるか?」
「棚の上に乗せて欲しいものがあるんですが、頼めますか?」
「いいぜ」
あっさりと本田の目論見は成功した。棚の前、脚立に乗ったギルベルトが箱を棚の上に乗せようと大きく伸び上がる。カッ!と、本田は目を見開いた。

(うさぎの尻尾…?…ってか、ノーパンかぁぁぁぁぁぁぁあああああっ!!)

不覚にも滾った。野郎の尻にうさぎの尻尾がついてて、しかもノーパンで。…どんな、エロゲのシチュエーションだよ!何かのこれはフラグか…。本田は野郎相手にエロゲなフラグなんてと思ったが、このメイドだったら、野郎であることが許容出来る気がしてきた。

「…ゴシュジンサマのエッチ!見んなよ!」

見られていることに…尻が丸見えになってることに気付いたギルベルトがスカートを引っ張り、尻尾を隠すと本田を睨む。それに本田の理性は崩壊した。
「すいません、今の台詞、もう一度お願いします」
風呂場を覗かれた○ずかちゃんな感じに激しく萌えた。
「は?」
「先程の台詞をもう一度、お願いします」
本田は頼む。それに胡乱げな視線を返し、ギルベルトは溜息を吐いた。
「…言ってやってもいいけど。延長してくれるならだけど」
既にサービスで無料の時間は終わりとなっている。ギルベルトはちらりと本田に視線をくれる。
「延長します!」
それに本田は即答を返した。
「三十分で三千円。一時間で五千円だけど、どっちにする?」
「一時間でお願いします!」
「一時間な。毎度あり。…んじゃ、いつもはしねぇ、サービスを今回はサービス料金なしでやってやるよ」
「サービス?(コレはマジでエロゲなフラグでしょうか?wktk!!)」
「お前、溜まってそうだしな。布団、どこだ?」
「(ぐあ!本当にktkr!!)押入れです」
押入れからギルベルトは布団を引っ張り出すと、きれいに片付いた部屋の真ん中に敷いて、その上にうつ伏せで寝るように本田に指示を出した。言われるがままに本田は布団の上にうつ伏せになった。

「天国に連れてってやるよ」

にっこりと笑ったギルベルトに本田の脳内はぽぽぽぽーんと弾けた。






「…アレ?」

じっくりと指圧され、マッサージで解れた体からは倦怠感がふっ飛び、長年の肩こりと腰痛からも解放され、嘘のように軽い。本田は寝返りを打つ。余りの気持ちよさに眠ってしまったようだ。ギルベルトの姿を探すが部屋に気配はない。帰ったのか、それとも最初から夢だったのかと思っていると襖が開いた。
「あ、起きた」
「はい。起きました」
「どうだ、俺様のテクは気持ちよかっただろ?」
「はい。お陰で、体もとても軽く……ウハw」
「ウハ?」
「…いいえ、何でもありません」
素敵な眺め(野郎の股間に素敵もクソもないと思うが)に思わず、言葉を漏らしてしまった。
(…私、実は野郎もイケるクチでしたか…)
嫌悪感を感じるどころか、髪と同じ銀色の茂みが僅かに見え、大事なところはきれいな色をしていて、形も悪くない。思わず舐めてみたいなどと変なことを思ってしまった。
「…ゴシュジンサマのエッチ!…って、言っとくが俺、別にノーパン信者じゃねぇからな。尻尾邪魔でパンツが履けねぇんだよ」
ギルベルトは本田の視線にばっとスカートを抑え、腰を下ろした。
「…パンツに尻尾を通す穴を開ければいいのでは?」
「……ハッ!その手があったか!」
極めて単純で明快な答えに今まで気がついていなかったらしい。…と言うか、余計なことを教えてしまった気がする。
「ありがとな。俺様としたことが気がつかなかったぜ。…あ、そうだ。水、飲めよ。マッサージした後は水分を大目に取らねぇと体の中の不純物が排出されねぇからな」
枕もとの水差しからコップに水を注いでくれるのを、本田は飲み干した。二杯目を注いで、ギルベルトは壁の時計を見やった。
「そろそろ、時間だな」
「早いですねぇ。ちょっと待ってて下さい。お金を準備して来ます」
本田は立ち上がり、引き出しから財布を引っ張り出し、夏目漱石を五枚引っ張り出すと、ギルベルトへと渡した。
「ありがとうございマス。気が向いたら、また呼んでくれよな!」
「はい。指名させていただきますよ。…で、ギルベルト君」
「何だよ、ゴシュジンサマ?」
「次回、お掃除を頼んだ時の衣装は私が用意したものを着ていただけないでしょうか?」
メイド服もいいが、アレとかコレとか、色々と着せて思う存分、視姦したい。…出来れば、ちょっと触ってみたい。
「…変なのじゃなかったら、着てやらなくもないぜ。見るのはいいけど、お触り禁止だからな」
何か察したのか、釘を刺された。
「はい」
何て美味しいことになってんでしょうか!お触り禁止って、踊り子か!…内心突っ込みを入れつつ、思いも寄らぬ楽しみが一つ増えた本田と、変態な顧客をまたひとり増やすことに成功したギルベルトだった。





全力でオワレ!