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ドライバーとメカニック

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ドライバーの我侭



世の中のストーブリーグを余所にETUは来期も全く同じ体制でシーズンを戦う事を発表。
会長曰く『余計な金と時間を使っている暇が有ったらマシンのテストをした方が良い』と。
テストをするにも金は掛かるんだが、そこはETUと同様に早々に体制を決めたチームのテストに便乗する事で解決する事が出来る。
そう言った訳で英国某サーキットでテストを行っていた。
ファーストドライバーの操るマシンが緩やかにピットに入ると担当エンジニアが出迎える。
「どうですか、ニューマシンのセッティングは?」
マシンの走行データに目を落としながら質問する男はずいぶん若い。
去年から担当となった赤崎だ。ETUのファーストドライバーであるルイジ吉田は一癖も二癖もある一筋縄では太刀打ち出来ないドライバーだ。
普段ジーノと愛称で呼ばれている彼はイタリア人ハーフで、日本人離れした彫りの深い顔立ちと繊細かつ正確なドライビングテクニックで女性に人気がある。
しかしラテンの血が入っている所為か本人の資質か、かなり気まぐれな性格と言動に初対面の人間は面食らう。
どれだけ気まぐれかと言うと、テスト等で気に入らないエンジニアが担当になった日には一言も喋らない、マシンにも乗らない。
当然ながら彼がマシンに乗って走ってこそのチームなので、ジーノの気に入りそうなエンジニアをあれこれ模索した結果、僅か21歳の赤崎が異例の大抜擢となったのだ。
しかしながらそれを妬む者はおらず『前途有望な若者が生け贄に…』と言うのが皆の一致した見解だ。