魔法少女リリカルマギカ(第1話)魔法少女大決戦(改)
第6章 さよなら、はもう言わないよ
『短い間だったけど、
今日は、みんなと一緒に、本当にチカラを合わせて
戦うことができて良かった。
すごく、うれしかった 』
まどかは、みんなを見まわして、
静かに言った。
『それに、新しい友達もたくさん出来たし』
高町なのはが、まどかに近づき、
改めて自己紹介する。
『私、高町なのは。
なのは、だよ 』
『なのは...』
『うん、そう!』
『私、鹿目まどか。
まどかって、呼んで 』
『まどかちゃん...』
『うん.........』
鹿目まどかと、高町なのはは、かたい握手をかわした。
まどかも、なのはも、
こうして、無言で、ただ手を握り合っているだけなのに、
その手をつうじて、相手の悲しみ・痛み、
そして、やさしさが、伝わってくる気がした。
二人に新しい友人が増えたようだ。
一方、杏子は、さやかとの別れを惜しんでいた。
『さやか、おめー、いい顔で笑えるようになったじゃねえか!』
『それって、お互い様だよ、杏子』
『!! ちがいねえ!!』
『ぷっ!』
『へへっ』
『『ぷはははははははははははははは!!!!』』
大声で豪快に笑う二人。
『んん?
あ、残念だけど、そろそろ実体化の限界だわ 』
背中の初代リインフォースからもらった翼はもうほとんど消えてしまっている。
『じゃあな、さやか!!
向こうへ行っても元気でな!!!』
『うん!!ありがと杏子 』
二人はそう言葉を交わすと、互いにニカッ!と笑うと、
互いのコブシとコブシをゴンッ!と、ぶつけあう。
『ほむらちゃん、それにみんな、元気でね 』
『まどかァ 』
ほむらはもうほとんど泣き顔である。
『いつかまた 会えるから。大丈夫、信じようよ、だって魔法少女はさ』
『夢と、希望をかなえる?』
『そうだよ、だから、さよなら、はもう言わないよ。
またね、ほむらちゃん 』
まどか、と、さやかはゆっくりと空間に溶け込むように消えていった。
すべてが、まるで短い夢だったかのように、思い出だけを残して。
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作品名:魔法少女リリカルマギカ(第1話)魔法少女大決戦(改) 作家名:気導士