Happy Life
おずおずと手を伸ばしゆっくりと相手の背中に腕を回すと、 ハリーも同じようにドラコの背中に腕を回してくる。
ドラコが抱きしめると、ハリーは抱きしめ返してくれた。
ただそれだけのことなのに、とても嬉しい。
またドラコの瞳から涙が零れ落ちた。
その濡れたほほをハリーの指先が優しくぬぐう。
何度も―――
「ドラコ、大好きだ……」
真摯な声は低く厳かで、どこか甘さを含んでいた。
ドラコはその言葉を受けゆっくりと頷く。
「―――ああ、僕もだ」
互いに見詰め合った。
ハリーが微笑むと、ドラコも同じように口元を緩める。
「お帰り、ハリー……。僕は君が帰ってきてくれたことが、何よりも嬉しい」
癖の強い髪を梳き、相手のほほを撫で、その感触を確かめると自分から顔を寄せ、唇を重ねる前にドラコは囁いた。
「──そして、誰よりも愛しているよ、ハリー──」
■END■
作品名：Happy Life 作家名：sabure