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6月の花嫁

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そして、二人っきりになると、満足そうな笑みを浮かべる。
「きれいよ、ペチュニア。誰よりもきれいな花嫁だわ。……わたしの天使……」
彼女は白いウエディング姿を見て、またポロポロ涙を流し始めた。

ペチュニアはゆっくりと泣いている姉を自分の胸元に抱きしめ、赤い髪をやさしく撫でた。
「姉さん、わたしは幸せよ、誰よりも」
うんうんと、リリーは頷いた。

「今まで、本当にありがとう 。リリーがいてくれたから、わたしは誰よりも幸せだったわ……」
深いエメラルドの瞳が涙をたたえて、じっとペチュニアを見つめる。

その瞳の色を一生忘れないようにしようと、彼女は心に深く刻みつけた。

「―――さあ、キスをしてちょうだい、わたしの姉さん。花嫁になるあなたの妹に、祝福のキスを。わたしに―――」

リリーは顔を上げると、涙をぬぐって、愛おしむような美しい笑顔を浮かべる。
手を伸ばし、ぎゅっとやさしく、抱きしめ返してきた。

やがて、やわらかな唇がそっとほほに触れる。
包み込むような、やさしい声が、耳元に響いてきた。

「だれよりも、あなたの幸福を願うわ。
   ―――いつまでもずっとあなたのことを愛しているわ。
      大切なわたしの、たったひとりの―――妹……」


  ■END■

作品名:6月の花嫁 作家名:sabure