二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

Thank you

INDEX|3ページ/3ページ|

前のページ
 


やがて、意識を取り戻し体調がよくなると、ドラコはもう、ハリーに自分の気持ちを隠すことなく、全身で思いをハリーにぶつけてくるようになる。
感情の起伏が激しく、熱烈で、強烈で、呆れるほど我慢出来ない性格が、ドラコらしかった。

ちょっとしたことで笑顔になって、そのくせ怒りっぽくて、独占欲は人一倍だ。
あのきれいな、ツンとすました氷のような美貌で、ハリーだけには、いつも別の表情を見せてくれる。
愛の言葉を甘くささやく。

ハリーはそれが、涙がでるほどそれが嬉しかった。

甘え上手な恋人は、自分の背中にまとわりつくようにして眠る。
いつも、いて欲しいときに、側に寄り添ってくれる。

その暖かさに泣きそうなってしまう。
自分はもう、ひとりぼっちじゃないと、心から思うからだ。

ドラコはハリーの身に降りかかってくる、激烈で過酷な、どうしようもない運命を嫌い、呪っていたけれど、逆にハリーはそれに感謝したいほどだ。
それがあったからこそ、今のふたりがいる。




あったかい気持ち。

素直な気持ち。

すべてが満たされる気持ち。

やさしい気持ち。

感謝の気持ち。

──そして愛おしい気持ち。



そんな思いをひっくるめてハリーはドラコを抱きしめ、ドラコはハリーを抱きしめ返す。
たがいのぬくもりが溶け合って、ゆっくりとゆっくりと広がっていく。


(誰よりも大切な人)

(君だけが僕のココロに触れることができる)




君がそばにいてくれる。


それがとても嬉しい。



―――ありがとう―――


    ■END■




*映画の「炎のゴブレット」を見て、思いついた小説です。
傷だらけのハリーを見てとても痛々しくて、あの傷はきっとからだだけじゃなくて、心まで深く傷ついているんじゃないかなと思って、その部分を書きました。
傷だらけの彼を見て、やっと自分の本心に気づいたドラコ。
このお話のドラコは、気付くのが遅くなり過ぎなくて、本当によかったと思いました。

作品名:Thank you 作家名:sabure