Sunny Day
目の前に並んだ料理は、ごくシンプルなものだ。リクエスト通りのハヤシライス、キャベツとツナのサラダ、伸ばして温めるだけのパンプキンポタージュ。実は冷蔵庫にデザートもある、と言う言葉に少し驚いた。
「…準備万端じゃないですか…」
そうして、少し呆れた。こう言うことがこの人は好きなのだ。記念日とか誕生日とか、絶対に忘れないタイプ。
「ん?当然」
少し得意気に応えるフラガは、妙に子供っぽい。ここで笑ってしまったらまたこの人は更に子供のように拗ねるのだろう。
「…あ、ダメだ…」
想像したらおかしくて、笑ってしまった。
「…お前、今子供みたいとか思っただろ…」
思った通りの反応に、頷くべきか否定しておくべきか少し迷ってから、済みませんと素直に謝った。
「でも、嬉しいなあ、と思ったんですよ」
誰かが、自分が生まれたことを祝って、喜んでくれる、と言うことが。その誰かが、とても大切な人だったりとか。
「有り難うございます」
笑みを乗せてそう言うと、フラガはまた珍しく少し照れたように笑ってそうか、と言った。
「さてそれじゃあ…」
冷めないうちに、いただきます。