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学園小話3

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不思議



 触れればそれは温かく、触れればそれは柔らかい。
 皮膚があり肉があり、その中を流れる血があって。それらはどんな器でも同じものなのに、なぜ人は形が異なるのだろう。とても不思議で、興味深い。

 たとえばお前の口はこんなにも無駄な言葉を紡ぐのに、本当の言葉は全然出てこないし。赤い舌は己を褒め称えるだけの存在でしかない。
 一方で、ぼくの舌は物を食べるためだけに存在する。
 それを絡め合わせることで生まれるのは、気持ちいいかもしれないという、ひとつの共通認識。

 戦輪を操る手も鋏を操る手も火器を操る手も、みな同じ手なのに、手管はみな違う。なのに、やっぱり気持ちいいという共通認識になる。
 面白い話だと思わない、滝夜叉丸?


「――動物的過ぎるな、それは」


作品名:学園小話3 作家名:架白ぐら