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　いつかは離れていくのも分かっていた。けれどこんな形は認めない。
　金造の中に、説明しようのない嵐が巻き起こる。
「金に…っ！？」
「あかん。行かせへん。――――お前は、ここにおるんや」
　小さな廉造。大切な弟。大切な――――。
　それをあんな悪魔になど渡さない。
「ちょ…っ、金に」
「お前は、ここにおるんや」
　自分を突き動かしているこれが何なのかわからないまま、金造は廉造を抱き締める腕に力を込めた。


「お前は……ここに、おるんや…」


　同じ言葉を繰り返しながら。