353訓~360訓ネタバレ銀桂小話集
預けた背中
桂が前線部隊を食い止めるために、仲間たちからひとり離れていった。
一方、そうとは知らずに、エリザベスの元カノのフミ子が頑侍を足止めさせるために爆弾をしかけた。
その頑侍に桂は乗りこんで出陣した。
大爆発した。
その光景を、米堕卿の首を穫りに行く途中の銀時と坂本は見た。
出撃した頑侍が突然に爆発したので、スパイがいると艦内は大騒ぎだ。
「なァ、金時」
「金時じゃねーよ、銀時だ」
「立ち止まらんでもええがか」
銀時のうしろを歩いている坂本が穏やかな声で問いかけてきた。
立ち止まる。
なんのために。
それを考え、すぐに銀時は察する。
さっき見た光景。
桂が乗ったと思われる頑侍が大爆発した。
あれでは助からないだろう。
「立ち止まらねーよ」
しかし、銀時は足を止めない。
「振り返りもしねーよ」
まえを向いて歩き続ける。
「背中ァ預けたって言ったんだ。アイツはそれを途中で放りだしたりしねーよ」
桂は無事だ。
そして、ちゃんと目的を果たすのだ。
絶対に。
「ああ、そうじゃのう」
並んで歩く銀時と坂本は、蓮蓬の者たちに呼び止められた。
総督府になにをしにいくのか、と。
大勢に取り囲まれる。
銀時は「閣下に重要な伝令が」と書かれたプラカードを見せる。
すると、「何!? スパイが見つかったのか!?」と蓮蓬の者から問われた。
直後。
「いいえ」
蓮蓬の変装を、銀時と坂本は脱ぎ捨てた。
「侍が」
「てめーらの星、侵略しにきましたよって」
それぞれ、木刀と拳銃を蓮蓬に向けた。
作品名:353訓~360訓ネタバレ銀桂小話集 作家名:hujio