二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

【Secretシリーズ 2】Truth -真実-

INDEX|1ページ/16ページ|

次のページ
 

〜プロローグ〜




朝の光の中で目が覚めた。

ひどい頭痛がする。
頭が割れそうなほどの痛みに低くうめいた。

「──つぅ……」
その声に、彼の横で何かが動いた。

見ると誰かが自分のとなりで寝ているのだ。
ドラコは今まで、誰ともベッドを共にしたことなど、一度もなかった。
潔癖で、神経質すぎる彼は、誰かが横にいたら眠れなかったからだ。
しかし、今、自分はぐっすりと眠り、目覚めたばかりだったようだった。


──何もかもが信じられない。


しかもこの自分のとなりにいる黒髪の癖毛は、ひどく見覚えがある。
とてもイヤな思い出だ。

「――ああ、起きたんだ。おはよう、ドラコ。昨晩から熱が下がらなくて、本当に心配したよ」
身動きして起き上がった相手はニッコリと笑い、親しげにドラコのほほを触ろうとする。
途端に、それを容赦なく振り払った。
「――――えっ?!」
一瞬彼の動きがとまる。

「なぜ貴様がここにいるんだ。ハリー・ポッター!!」
その言葉にハリーはひどくショックを受けたような顔になり、みるみる表情が曇った。
うつむき、唇をかみ、今にも泣き出すのではないかと思われるほど、落ち込んだ顔になる。

肩が不自然なほど、小刻みに震えていた。
ハリーの肩の震えはほんの少しで収まり、やがて深くため息をついて、再びドラコを見た。

そこにはいつも見慣れた、憎らしい不適な笑みを浮かべたライバルがいた。
緑の瞳は深くて、何の感情も読み取れない。
ゆっくりとハリーはドラコの前に、右手を差し出す。

「ようこそ、マルフォイ。僕たちの隠れ家へ」
ハリーらしい挨拶だ。

ドラコはまた、その差し出された手を容赦なく振り払い、にらみつけた。



――――少しの皮肉に込められた、ハリーの本当の心をドラコは知らない。