堕落者10
「なんだい?」
つまり、会った後の事は考えてないという事か。場を取り持つためにも、自分から提案することにする。
「一緒に遊んでいいの?」
一週間前、自分からむーちゃんを探したのはそのためだった。けれど、彼と跡部の関係はとても深いものだと、そう言った知識が私にはあった。作中では大抵一緒にいたと思うし、この世界でもこうして幼稚舎からの付き合いである。それに、彼らはあの日の午後に知り合った間柄ではなさそうなので、どうやら家同士の付き合いで知り合ったのではないだろうか。とにかく私は、二人の仲に自分を割り入れるのは無理と諦めていた。
「あたりまえじゃないか」
しかし、跡部はあっさりと肯定する。
「今までずっと二人だったんだけどね、一緒に遊ぼうじゃないか」
こうしてあれから一週間後、この一日で私の願いは叶えられた。