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Please let me get drunk

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 言葉を紡ぐはずの薄い唇はその役割を果たせず、覚えのある肉厚な唇と舌先で塞がれていた。
 「んっ・・・はっ、ぁ」
 「俺が悪い。」
 離れたと思えばその一言だけこぼして。
 再び二人の唇が重なる。
 そのあとは無言でお互いの熱を分け合っていた。
 同じ酒を飲んでいたはずなのに舌先から味わうそれは甘さが増していて、苦かった。
 



 この人は、また酒に酔った振りをするつもりなのだろうか。
 あのときみたいに?
 夢の所為にして。
 自分の所為にして?
 なんてずるい人なんだろう。
 そしてこんな状況で他人に触れられているのに嫌悪を感じないなんて自分が信じられなかった。
 


 「そうですね、あなたが・・・悪いん、です。」
 「バニー?」
 これがどういう事なのか。
 自分がどうしたいのかもわからないままではあったけれど。
 この人の腕の中から今は離れたくなかった。
 そうして初めて、自分から彼に触れた。
  
作品名:Please let me get drunk 作家名:藤重