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ノブゾンビ
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novelistID. 27496
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ありそうで、ないけど、ひょっとしたらあるかもしれない話

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私は錯乱し、無我夢中で舞台袖に向かった。舞台袖は真っ白な光で覆われ、私はその中に入っていった。 冷たい風が頬を触り、やさしい匂いが鼻を駆け抜けた。私は手を広げて大草原と一体化しようとしていた。

「・・・め・・・」

「・・ち・・・じゃ・・・め・・・」

言葉が一文字、一文字聴こえた気がした。大草原は瞬時に暗闇になり、星一つ無い夜空が広がり、石の置物が辺りを囲み始めた。


「そっちに行っちゃだめ!」

我に帰ると、鉄柵を超えた、人、一人がやっと立てる様なスペースに私は立っていた。車が走る音が聴こえる。私は屋上にいた。一歩でも踏み外すと地面まで真っ逆さまだった。私は恐る恐る鉄柵を超え、心配そうに見つめるメンバー達に駆け寄った。自分でも何が起きたかわからず、ただひたすら泣いた。涙が枯れても泣き続けた。



目を覚ますと私はベッドにいた。時計を見ると午前7時。ベッドから起き上がると、ぺしゃっと厚い紙を踏む音が聴こえた。何かと思い、厚い紙を手にとると週刊誌だった。寝ぼけ眼のまま、何気なくページをパラパラとめくる。私の名前が大きく書いてある見出しを見つけた。



[前田敦子、うつ病の真相]




思い出した。私はうつ病だったのだ。