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【腐向け】貴方の隣のスペースは空いていますか【虎兎】

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「ちょっと汗臭いですよ。本当にシャワーを浴びたんですか?」
「うるせーなぁ。文句があるならソファーで寝ろよ」
「嫌ですよ。あんな固いところで寝れるわけないじゃないですか。おじさんなら平気でしょう。ここはお客である僕がベッドを使うべきです」
「お客ってお前が勝手に俺の家に泊まりに来たんだろうが。つべこべ言わずにソファーへ行け」

二人ともシャワーを浴びて寝るという段階で、どちらがベッドで寝るかということで争っていた。
寝たくても寝ることができないことに苛立ちを覚えた虎徹はもういいと言ってベッドで寝てしまった。そして、数秒も立たないうちに寝息が聞こえ始める。
その様子を見てバーナビーはハァっとため息をついた。ベッドの半分だけ空いているのは隣で寝てもいいと言う彼の優しさだろうか。

「……添い寝をしてやるって言っているようなもんですよ」

そっと虎徹の隣に手を置く。そして彼に覆いかぶさるような体勢を取る。ぐっすりと深い眠りにもう入っているのだろう。彼は全く気付かない。

「ここまでぐっすり寝ているといたずらをする気も失せますね」

バーナビーはベッドの端に座った。添い寝をしてもらうつもりは半分本気で半分冗談だ。だけど、今日は一人であのマンションに帰る気分ではなかった。

(本当に、思い出したくないものまで思い出してしまった……)

追いかけていたのにいざ目の前に現れると躊躇してしまう。そして、心の傷を無理やりえぐられてしまった。

「ねぇ、おじさん。本当に添い寝してもらえますか」

人肌が恋しくなるときが人間には必ずあると聞いたことがある。きっと今がその時なのだろう。バーナビーは虎徹の隣に横たわる。
シーツには彼の汗臭いにおいと温かさが身に染みていて。いろんな意味でバーナビーは泣きそうになった。


貴方の隣のスペースは空いていますか


(ん?なんだ、お前結局隣で寝ていたのか。可愛い奴だな~)
(だ、抱きしめないでください。気色悪いです)