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つわものどもが…■06

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「Hey 小十郎、まさか俺の付き合いに、いちいちついてくる心算なのか?」
こちらに出てくる前、地元に居た頃にも友達や道場(子供の時から通ってた合気道と剣道の道場な)の仲間と一緒に出掛ける事はあったが、今日のような事は一度もなかった。
「まさか、そのような野暮な真似するつもりはありません」
俺にはにこやかな様相で言う小十郎に、
「では此度の行いを何とする」
元就さんが静かに問い掛けた。
「テメェ等は別だ。政宗様に何かあってからでは遅いんでな」
どこに切り替えスイッチがついているのかと思うくらいに俺に対するのとは違う顔で元就さんに対峙する。
「Just a moment,何かってなんだ、何かって」
不穏な単語が含まれていたのを聞き咎めて俺が問うのと重ねるように、
「それは我等に対する心象を問う以前に、政宗をも信じておらんという事か」
元就さんが静かに言い放った。
恐らく小十郎にそんなつもりは無かったんだと思う。何故なら元就さんの言葉に、小十郎がハッと息を飲んで眉根を寄せたから。次いで、視線を俺に寄越す。…そんな目ぇすんなよ、馬鹿だな。
「政宗様、」
「I know.」
俺を心配してくれての事だ、それは分かっている。特に地元を離れ、父さんから後見を託されでもしたんだろう、実家に居た頃より過保護になっている気がする。それだけ大事に思われているのは不快じゃない。寧ろ嬉しい。嬉しい…のだが。
これから先も同じ事が続くのは、正直なところ勘弁願いたい。悪ぃ、小十郎。

結局、
この日のレクリエーションは俺と元親と元就さん、そして態とらしく少し離れた場所から小十郎という妙なバランスを保ったままだった。





(お題提供:エソラゴト様 http://eee.jakou.com/)

** あとがき **
元親と元就が「逃がさない」対象としているのは勿論政宗なんですが。
小十郎は…息の根を止める的な理由で、元親と元就を逃がさない心算。逃がしゃしねぇ、絶対にだ!笑。
もっとコミカルなお話にするつもりだったのに…半端ですみません。
** 2011.6.3 **
作品名:つわものどもが…■06 作家名:久我直樹