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ぎとぎとチキン
ぎとぎとチキン
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【臨帝】YOSOMISO【サンプル】

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「君が好きだ。」

臨也の言葉に、帝人は微笑った。
ただ、微笑うだけ。

首を中心に、池袋中を巻き込んだ戦争が治まってから、二年後。帝人が二十歳になって、数日後の告白だった。

帝人が臨也の事を好きだという事を、臨也は知っていた。
知っていて、告白をした。
ずるい男だ。卑怯で、歪んでいて、ある意味純真でもある男、それが折原臨也という人間である。
帝人はそんな臨也の人間性を分かっていて、それでも愛していた。
帝人自身、趣味が悪いと思う。
竜ヶ峰帝人は、折原臨也を愛している。
それを臨也が確信するのに掛かったのが、二年。
ある意味、臨也が帝人を特別な意味で愛していると、認めるのに掛かった時間でもある。
帝人は微笑う。
愛を返す事なく、静かに、穏やかに、優しげに。
そして、ある意味では世界の理であり、自明の理であり、臨也にとっては最悪の言葉を返した。

「あなたの事が、信じられないんです。」

だから、自分は愛を返す事が出来ない、とただ微笑う。
竜ヶ峰帝人は、折原臨也を愛している。
その事を臨也が知っていると、帝人も知っていた。
隠してはいない、だから臨也だけではなく、友人達だって、帝人の気持ちを知っている。
臨也は帝人の言葉に、苦笑を浮かべた。
己でも、自分の言葉が嘘くさく感じるのだから、帝人の答えは当然予測されるべきものだった。
なのに、その選択肢を頭が拒否していた。
折原臨也ともあろうものが、可能性を忌避したのだ。
臨也は目を伏せ、それでも愛を紡ぐ。

「ごめんね。それでも、愛してる。」
「じゃあ、僕を信じさせて下さい。」

帝人は鮮やかに微笑って、はじまりを宣告した。