caramel
プロローグ
恋愛ってのは、
良くも悪くも人を変える。
良い方へ変わる恋がしたい。
それは誰もが願うんじゃないだろうか。
見てるのが辛かった。
見ていたくなかった。
見たくないものを見て、
見たくないのに目で追って、
そうして傷つくのは自分なのに
それが分かってるんだか、
分かっていないんだか、
俺が壁になれるならと思った。
caramel 第二章
フラれることには慣れていた。
失恋なんてよくあることだ。
だから、立ち直り方も、忘れ方も、次の恋の仕方も知ってる。
俺の目の前で何もわからずに苦しんでいた。
失恋なんてよくあることだ。
でも、その失恋はもう二度とない。
同じ人でも一度目と二度目は違うから。
それを教えてくれた。
そして気付いたら、
俺の失恋よりも、
俺の失恋のときよりも、
俺の心は苦しんでいた。
『幸せになってもらいたい。』
初めて心からそう思った。