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綾沙かへる
綾沙かへる
novelistID. 27304
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君の隣で、夜が明ける。04

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 嬉しいような、寂しいような。
 幼馴染として、親友として、長い時間を共に過ごして来た友人の心の中が他人で占められて行く様子に、諦めたようにアスランは溜息をついた。


 例えば隣にいた誰かがいきなり居なくなっても。
 前を向く事を教えてくれた人が操る機体が半壊していても。
 その心地良い安堵感をくれる声で、名前を呼んでくれるだけで。
 「…大丈夫。」
 自分の知らない誰かと向き合っていても。
 きっと自分は帰って来れると、そう思うから。

 何があっても、大丈夫だと。
 揺らぐ心を抱えたまま、その巨大な廃墟に足を踏み入れる。
 人の限りない欲望の果てに待ち受けるもの。
 それが、己の信じたものをすべて壊す事になるとは知らずに。