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　「…ラクスは、マサキを」
　僕なら大丈夫、と言いながら、とても頭の芯が冴えていくのを感じる。あの時感じた、奇妙なほど研ぎ澄まされた感覚。戦争の最中、余計なものまで全て感じとっていた時と同じ感覚が、身体の奥底から甦る。
　空間に広がって、溶けていくようなその感覚と。
　瓦礫と、火薬が混じりあった空気と。
　向け合う銃口に。

　懐かしい、と言う感情を覚えた。