同じ横顔
「……なんつうか、まあ、お前も疲れてたの、気づけなくて悪かったよ」
「……ううん、閃ちゃんがわかってくれたならいいんだ」
沈黙が痛い。が、互いが憎くてではない。
「にしても、頭領、よりによってあんな写真持ち出すなんて、ねーよ」
「ああああんまりだよね、あ、あれはさあ……!」
気恥ずかしくて互いの顔を見るのもやっとだ。部屋に戻ると、二人分の布団を敷き直し
て、障子を閉める。
「……昔はあんな風に一緒に寝てたっけ」
「なんか懐かしいな。一緒に寝るか?秀」
「ひっかかれたくないから遠慮しとくよ」
二人で別々の布団に入ると、互いに笑い合う。
「こんな時間だけど、おやすみな、秀」
「うん、おやすみ、閃ちゃん」
真昼の太陽に背を向けるようにしながら、二人は目を閉じる。
ふたつの安らかな寝息が聞こえてきたのは、それから程なくしてのことだった。
<終>