【かいねこ】春告鳥ノ恋
「春告鳥ノ恋」
時は大正、東京郊外。
人と妖しが、共に暮らす街ー
「旦那様ー。お客様ですよー。旦那様ー」
ぱたぱたと、着物姿の少女が走ってきた。
縁側に体を横たえていた大トカゲが、日溜まりの中、物憂げに頭を持ち上げ、
「何だい、いろは。こんな朝早くに」
「ちっとも早くありません。カイトさんという方が、旦那様を訪ねてこられてます」
「ああ、あの子か。あたしは、まだ体が動かないからと言っておくれ」
いろはは、向きを変えたトカゲの尻尾を掴むと、
「駄目です。一緒に来てください。旦那様、あの方は、私と同じ唐繰人形なのですか?学生さんの格好をされていましたけれど」
「これ、引っ張るんじゃないよ。ああ、そうさ。あの子もあんたと同じだよ。今日から、一緒に暮らすからね」
「え?」
「吉野から、しばらく預かってくれと頼まれたのさ。気立てのいい子だから、仲良くしてやってくれと」
「え?え?そ、そんなこと、聞いてませんよ!」
「そりゃあそうさ。今初めて言ったからね。さあさ、あんたは部屋の支度をしておいで。あの突き当たりの部屋、あそこがいいだろう」
「え、なっ、そ、そういうことは、早く言ってください!!」
いろはは、慌てて立ち上がると、またぱたぱたと走り去る。
トカゲは、一度欠伸をすると、のそのそと歩いていった。
時は大正、東京郊外。
人と妖しが、共に暮らす街ー
「旦那様ー。お客様ですよー。旦那様ー」
ぱたぱたと、着物姿の少女が走ってきた。
縁側に体を横たえていた大トカゲが、日溜まりの中、物憂げに頭を持ち上げ、
「何だい、いろは。こんな朝早くに」
「ちっとも早くありません。カイトさんという方が、旦那様を訪ねてこられてます」
「ああ、あの子か。あたしは、まだ体が動かないからと言っておくれ」
いろはは、向きを変えたトカゲの尻尾を掴むと、
「駄目です。一緒に来てください。旦那様、あの方は、私と同じ唐繰人形なのですか?学生さんの格好をされていましたけれど」
「これ、引っ張るんじゃないよ。ああ、そうさ。あの子もあんたと同じだよ。今日から、一緒に暮らすからね」
「え?」
「吉野から、しばらく預かってくれと頼まれたのさ。気立てのいい子だから、仲良くしてやってくれと」
「え?え?そ、そんなこと、聞いてませんよ!」
「そりゃあそうさ。今初めて言ったからね。さあさ、あんたは部屋の支度をしておいで。あの突き当たりの部屋、あそこがいいだろう」
「え、なっ、そ、そういうことは、早く言ってください!!」
いろはは、慌てて立ち上がると、またぱたぱたと走り去る。
トカゲは、一度欠伸をすると、のそのそと歩いていった。
作品名:【かいねこ】春告鳥ノ恋 作家名:シャオ