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こらぼでほすと 闖入3

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『吉祥富貴』では、準備万端、来客を待っていた。バラバラにやってくることになったので、沙・猪家夫夫が、捲簾天蓬夫夫を、三蔵と悟空が金蝉を案内して同伴出勤してくる。まず、現れたのは、寺チームだ。扉の前で待機していたシンとレイが来訪を告げる。エントランスには、トップのキラとマネージャーのアスランが待っている。
「お待ち申し上げておりました、金蝉さま。」
 扉が開くと同時に、キラとアスランがぺこりと会釈する。あまり奇抜なことはしないで、ノーマルモードで接客ということになったので、スーツ姿だ。
「おまえが、キラか? 」
「はい、今夜のエスコートを承ります。」
 菫色の瞳に亜麻色の髪のキラは、見た目はとても可愛い生き物だ。優雅に手を差し出して、ホールへと案内する。それを見送るようにして、三蔵と悟空は、バックヤードに消える。
 今日は、貸切だから、ホールの真ん中に席をしつらえている。後で、歌姫様も挨拶に来ることに急遽、決まった。人外の方なんて、滅多に逢えないから、歌姫様もスケジュールを捻じ込んだ。
「俺は、作法も何も知らないから、適当にしてくれ。」
「ご指名は、どうします? 」
「三蔵と悟空だ。」
「承りました。お連れ様がいらっしゃるまで、乾杯はお待ちになりますか? 」
「そうだな。・・・キラ、営業用の言葉遣いはしなくていい。ラフにやってくれ。」
 キラキラの王子様仕様で話しているキラが、営業用だというのは、悟空の言動で理解している。
「了解、金蝉さん、初めまして。とっても綺麗で、僕、びっくりだよ。三蔵さんと変らない感じ。」
「見た目にはな。」
「どうしょう。まず紹介したほうがいい? 」
「いや、それも、あいつらが来てからにしよう。・・・・ああ、三蔵にはホストで接待させてくれ。それが見たくて来たんだ。」
 傍若無人マイノリティー驀進の三蔵が、接客する様なんて、有り得ない代物だから、金蝉は、それが楽しみだった。後は、悟空の親友を拝みたかっただけだ。他は、大して興味がない。
「オッケー。みんな、そのつもりでね。」
 周囲に配置されているホストやウエイターも苦笑しつつ頷いている。確かに、見ものだろうとは思われる。
「スーパーコーディネーターでも、見た目は変らないんだな。」
「そりゃそうだよ、金蝉さん。僕らは中身を細工されてるだけだもん。金蝉さんだって、見た目は、美人さんってだけでしょ? 」
 普通じゃない生き物同士だが、見た目には普通だ。神様枠の金蝉も、スーパーコーディネーターのキラも、外では、そうだとは気付かれない。
「美人さんと呼ばれることはないぞ。」
「そう? 僕としては、美人さんに該当してる。もし、こっちに住むんなら、店のスタッフに誘いたいくらい。」
「それは無理なことだ。」
「まあね。・・・とりあえず、座りません?」
 立って待っているのもおかしいから、と、キラが席を勧める。ハイネは、送るだけで、とんぼ返りしたので、知り合いが誰も居ないから、金蝉もソファに座り、タバコを取り出す。ダコスタが、膝をついてライターで火をつける。 他は、カウンター付近で待機している虎と鷹がいるぐらいだ。シンとレイは引き続き、表でお客様の来店をチェックしている。
「『白い悪魔』が、こんなに可愛い子供だとは思わなかった。」
 悟空から聞いていたキラのイメージでは、もう少し体格のいい青年という感じだったが、キラは、いい意味で、そのイメージを裏切っている。
「一応、コーディネーターの基準でいうと、僕は成人して七年は経過している大人なんだけどね。」
「MSに搭乗したら人格が変るのか? 」
「別に、このまんま。」
 そう、そのまんまだから怖いのだ。笑顔でえげつない攻撃を繰り出してくるし、不殺が信条だから殺しはしないが、やることは容赦がない。海に叩き落されたのや、MSをダルマにされたものは多数いる。
「ママも美人だったでしょ? 」
「ママ? ああ、ニールのことか。西洋美人だが、三蔵には勿体無い世話焼き女房だ。あんなに甘やかしたら、三蔵が離せないだろう。」
「離す気はないと思うよ。ママも、三蔵さんの世話は楽しいから、いいって言うし・・・あれでいいのかも。ママ、人気高いんだよね。だから、間男と恋人もいるんだ。」
「ハイネ以外にもいるのか? 」
 昨夜、ハイネとニールが同室で休む、というから驚いた。普通は、三蔵と同室だろう、と、天蓬がツッコミしたが、いつも、こうなんです、と、ニールが言うので、さらに驚いたのだ。男同士の相部屋というのなら頷けるが、三蔵の女房と女房の間男ということになると、事情が違う。三人ともノンケだと言うが、それでも、組み合わせとしては、金蝉には納得できなかった。
「挨拶させていただこう、俺がニールの恋人のムウ・ラ・フラガだ。初めまして、金蝉さん。そして、ようこそ、『吉祥富貴』へ。」
 会話に割り込むように、鷹が、対面の席につく。キラの会話は、耳でチェックしていたらしい。ニールは浮気とかしてないから、と、鷹も笑っている。 
「まあ、ニールをからかってるだけなんだ。兄貴分ぐらいに考えてくれればいい。」
「そうだろうなあ。だが、ハイネは、多少、本気じゃないか?」
「ハイネも、似たようなことなんだが、あいつのほうが心配性でさ。ママニャンひとりで寝かせると、眠りが浅いからなんだ。随分と落ち着いたけど、ちょっと前まで不眠症気味だったんだよ。」
「それこそ、三蔵が一緒に寝てやりゃいいんじゃないのか? 」
 あのナチュラルないちゃこら加減からして、そういう役目は、三蔵がすりゃいいんじゃないのか、と、金蝉は思ったのだが、同居するまでの流れで、そうなってるらしい、と、鷹は言う。釈然としない、と、童子様は、ぷかりと紫煙を吐き出した。
 そこへ、夫夫組が到着した。こちらの出迎えは、アダルトな虎が引き受けた。ゆっくりと案内されて、捲簾と天蓬もソファに落ち着く。
「ようこそ、いらっしゃいました。捲簾様、天蓬様。指名ホストの支度が整いますまで、ご歓談を。」
 案内をして、虎は席を離れる。ホストの準備を確認に向かったらしい。とりあえず、キラと鷹は挨拶だけすると、ダコスタがウェルカムドリンクを運んできた。
「あなたが、キラくんですか。お噂はかねがね、悟空から聞いていました。可愛いですね。それから、あなたがアスランくんですね? なるほど、お似合いの新婚さんだ。」
「天蓬さん、捲簾さん、初めまして。僕も、悟空から、お話は伺ってました。」
 キラが挨拶して、ニコッと営業用の笑顔を振り撒く。これだけで、お客様たちは大喜びする天使の微笑だ。捲簾のほうは、鷹に声をかける。鷹は金髪碧眼のストレートなハンサムさんだ。
「あんたは、やけにアダルトだな? 」
「うちは年齢がバラバラ、タイプもバラバラが売りだからね。いかがでしたか? 特区の一日目は? 」
「寺で、だらだらしてたから、まだ、どこにも行ってないんだ。明日から、ぶらぶらするから、お奨めがあれば教えてくれ。」
作品名:こらぼでほすと 闖入3 作家名:篠義