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とあるアーチャーの銀河鉄道 第三章

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~三人の悩み~

その日朝から落ち着かない人間が、三人も学校に来ていた。
まず一人目、朝錬と言われ剣術訓練の事を思い出していた「衛宮士郎」である。
あれは、食事の後のことである。

「今日は、こいつに話しておくことがあるから、先に二人とも学校に行っていてくれ。」
いきなりであった。
勿論タイガー、桜は反対したが「今日、とりあえず「家」の長老が見に来るそうだ。仕事の都合で何時になるかわからないが、「朝」を指定しておいたから、念のためだ。」
それでもタイガーは不服そうな顔をしていたのだが、「用が終われば、すぐ学校にやる。」
そんなことを言って、二人を家から追い出すと、食器を洗おうとしていた俺を、道場に連れて行かれた。

「いったい何なんだ。」
「前に言ったろ。「朝錬」をやると。」
そういうと、竹刀を投げてよこした。
「その状態で打ち込んで来い。」
ヤトは丸腰の状態である。
「おい、ヤトいくら何でもそれは侮辱だろう。」
「そうだな。セーバーも竹刀を持っていたな。」
「?」
「いや、ただの独り言だ忘れてくれ。」
そういうと、竹刀を持ったがすぐにしまってしまった。
「俺の近接の間合いじゃないな。」
そういうと手の中にきれいな二対の曲刀が現れた。
僕は、その下心のない刃の美しさに声を呑んだ。「美しい」その言葉がうっかり口から出た。
「やはり、お前には少しこれは、早かったようだな。」
そして、その刀もしまうと、台所の「すり棒」を持ってきた。
「おいヤト。」
「あの刀だと稽古に集中できんだろ。」
図星であった。
「こちらから打ち込まない様にしといてやるから、幾らでも打ち込んで来い。」
「馬鹿にしやがって。」
一応タイガーから、基礎練習を受けていただけに多少の自身はあった。
「後悔させてやる。」
そして、竹刀で斬りかかったのだ。
結局、一本も入れられなかった代わりに小一時間で身体の肉がつりそうだった。「身体強化」の魔術のお陰で、ほとんど疲れが残ってはいなかったが、ヤトが出した二振りの曲刀は、二本一対の物だろう。でなければ、あそこまで「同じ」では無いと直感した。そして、鍛冶師に驕りや、野心が無く唯、自分の技量を全て使い全身全霊で鍛え上げた物だと言う事も感じることができた。
その刃の美しさに、心奪われ結局授業は上の空だった。
正直「欲しい」とさえ思い、美しき刃が心を捉えていた。

もう一人は生徒ではなく、先生「葛木宗一郎」である。
「なぜだ?」
本日も、「キャスター」の愛妻弁当を普通(?)に受け取り、朝出勤して、「きわめて真面目」という評価すら周囲から貰っている自分が今日は、何故か落ち着かないでいた。
昨日のあの戦闘で「マスター」とおぼしき、「魔術師」に水晶球が壊されたとき、どうでもいいはずの「キャスター」を庇って抱きしめただけなのだが「どうして自分は、そんな行動をとったのだろう?。」と思い返してみた。
思い当たることがなかった。
もともと「キャスター」とは「俺の邪魔さえしなければ、そばに居てよい。」という契約だったはずだ。なのに「キャスター」の為に身体を張るなんて考えられなかった。
「あの~葛木先生。」
同僚の女性教師だ。何か落ち度でもあったのだろうか?
「どうしました?。」
「もう授業の時間なのですが?」
しまった。
「また」気が抜けていたようだ。
「申し訳ないすぐに、教室に行かなくては。」
急ぎ荷物を持ち教室に向かった。
朝からこの調子だ。
そして、ちょうど四時限目が終わったころだろう。
学級主任の小太りした同僚に呼び止められた。
「葛木君。今日は、体調でも悪いのかね。」
「いえ、体調管理はしっかりしていますが?」
「いやいや、そうじゃないよ。」
「?」
「君くらいの年齢は、「まだ元気」とか「大丈夫」とたかをくくって居るかも知れないが、病気はいつどこからくるか、判らない。」
なにを言っているのだろう。病気どころか今は、些細な体調すら「キャスター」が万全の状態にしてくれているのである。
「この歳まで、ストレス性の病気にかかる同僚を何人も見てきたし、
気がついたら取り返しのつかない事になっていた同僚も居た。」
妙に「取り返しのつかない」という言葉が耳に残った。
「悪いことは言わない。今日は病欠を取って、早退することを薦めるよ。」
「しかし…」
「授業は幸い、遅れていないのだろ?なら、今日一日くらい良いじゃないかね。」
もし、このまま自分が午後の授業も失敗すると「監督不行き届き」にもなるのだろう。
確かに、授業で生徒に気取られる事はなかったものの、仕事としては散々足るものといっていいかもしれない。
藤村先生程では無いが、今日は本当に体調が悪いのかもしれない。
「判りました。」
そして、早退届けの書類を急ぎ記入し学校から帰路に着いた。
正直「キャスター」に早く会いたいという気持ちもあった。

もう一人は意外な人物であった。
「間桐桜」であった。
今朝の話を聞いて、先輩の知らなかった事を聞いてしまいショックが大きかった。そればかりか、「姉」が存在し、本家だかの人間が先輩を見に来るというではないか。もし先輩が居なくなるかもしれないなんて耐えられるのだろうか?
絶対嫌だ。先輩が居たから、こんな世界でも生きる事ができたと言っても良い。
もし先輩が自分の前から居なくなったら、本当にどうかしてしまいそうになってしまう。
もし、先輩を連れて行こうものなら、死神でさえ倒してみせる。
この状態で、妹に暴力をふるう「間桐慎二」に何か言われようものなら逆に反撃するくらいに、桜自身も気がついていない黒い魔力が増大し、いつ爆発するかまったくわからない状態になっていた。

話がそれるが、そんな桜の状況に喜びとも戸惑いともつかない感情を表している年寄りがいた。「間桐臓硯」である。
「やはり女よのう。好いた男を独占したくて、嫉妬にかられ黒い魔力を生み出しておるは。」
これは、少々予定より早いが許容範囲であるだけに問題がないが、何か引っかかりも感じていた。

~佐々木小次郎の憂鬱~

何が悲しくて自分は「アサッシン」などという「サーバント」に成り果ててしまったのだろうか?
自分の「武芸」を極めるその目的のため精進を重ねてきた。時には教えを受けた師でさえも超えるため戦いにあけるれた。
そしてその時、好敵手と呼べる男の話を耳にした。
「宮本武蔵」
自分の「武芸」がどこまでものか、あの戦いで雌雄を決するつもりであった。
「「キャスター」め、既に「アサッシン」を門番に据えていたか。」
赤銅色の衣の男がそこに立っていた。
「貴様、只者ではないな。」
明らかに、周囲にまとう気が「人間」と違っていた。
自分が幾たびも相対してきた「武人」のものだった。
「今の自分にある名前といえば「涼宮ヤト」だ。故あってその門押し通る。」
「させると思うか?」
今、自分は久しくみなに「強者」に会えて心が躍っていた。
「押し通る。そういった。」
そして、男から階段を駆け上がり「物干し竿」の間合いに入った所を切りつけた。
しかし「ヤト」は、途中とまり「物干し竿」から間合いをとった。
「臆したか」
「ヤト」は、静かに呼吸を整えると、手に「長い木刀」が現れた。