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とあるアーチャーの銀河鉄道 第三章

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それは、忌々しき伝説。日本ならではの「勝てば官軍」的な本来ありもしない伝説の産物であった。
「櫂の長木刀」
ありもしない伝説を作り上げ、自分を「アサッシン」などという不名誉な烙印を押さしたもの。
それは自分の冷静な自分を維持し続けるのでやっとだ。
「これで、伝説が本当か実証ができるな。」
「ヤト」はそういうと石段を駆け上がり、太陽を背に振り下ろした。
「甘い。」
いかに、荒海で鍛えし櫂であっても「物干し竿」の刃をとめることはできない。
「燕返し」
一の太刀で木刀の半分を切り落とし、返しの二の太刀で「ヤト」の首を狙った。
しかし一の太刀で木刀の半分を切り落としたものの、二の太刀では柄でかわされてしまった。その反動で「ヤト」は、石段から転げ落ちた。
「たて。この程度ではやられておらんのだろう?」
「さすが「セーバー」と一騎打ちでほぼ互角だったことはある。」
「?まだ、「セーバー」とやらは召喚されていないと聞いているが。」
「気にするな独り言だ。」
そして立ち上がるとやはり、ダメージらしきものは無かったようだ。
「察するに貴殿も「サーバント」か?」
でなければ、石段から落ちて平気な人間なぞ見たことがない。
「「そうであって」、「そうでない」者と答えておこう。」
「なぞ賭け問答に興味はない。」
「そうだったな。」
そして「ヤト」は「干将・莫耶」を作り上げた。
「興味が有るのはこっちのほうだからな。」
そして、二本一対の刀を構えた。
「その構えは…」
「かの「兵法家」ほどでは無いが、この戦い方で相手してやろう。」
そう、この構えは「二天一流」の構え。
自分があの島で戦うはずだった男の流派。
「ここには、お前を暗殺しようとする弟子も居ない。時間がもったいないが、これで付き合ってやる。」
いつにない高揚感があった。あいつは、「勝負に勝つ」事しか頭に無かったが、自分は「武術で勝つ」事しか頭に無かった。
「そういわず、じっくりと我が剣技堪能してもらおう。」
「ごめんこうむる。」
そういって、ほぼ同時に相手の間合いに踏み込んだ。

~英雄を観察する者~

アレイスターはその戦いを「家のテレビ」で観戦していた。
「まったく、「英雄」と呼ばれる連中はいつも、私の予想を裏切ってくれる。」
学園都市で、自分の計画を何度も修正を加えても気が付いたら大きな溝を作っていたのは、「幻想殺し」「一方通行」そして何のとりえもなかったはずの「レベル0」であった。
やつ等の首根っこは掴んでいたはずなのだが、それでも旨くいっていないのが現状だ。
一応修正したプランに切り替えたものの果たして、うまくいくか疑問だった。だから英雄という存在を知るためにも、英雄達の集う「聖杯戦争」を観察も悪くなかった。別に新プランでも暇していたのは事実なのだから。
「どうして、得意分野で戦わないのだ?」
「ヤト」は「干将・莫耶」で「佐々木小次郎」とさも楽しそうに切り合いをしていた。「佐々木小次郎」もまるで遊び相手を得たかのように楽しそうに、戦っていた。
「次で決まりそうだな。」

二人はお互い間合いを外して仕切り直しをした。
そしてお互いの間合いに入っていった。
「燕返し」
重い筈の「物干し竿」を軽々しく打ち込んだ。
それを「干将」で受けたが弾き飛ばされ宙を舞った。
それで終わらないことは両者わかっていた。
二の太刀が来るまで懐に飛び込み「莫耶」で倒そうとしたのだ。
「佐々木小次郎」もそれを見越し見事な跳躍力を見せ後ろに飛び跳ねその間合いを外した。
しかし、「アサッシン」は背後からの攻撃に気づいた。
弾かれた「干将」が戻って来ることをとっさに感じ回避をここ、みようとしたのだ。
その動きを見逃すほど「ヤト」は甘くなかった。
ほぼ同時攻撃の形で前と後ろから襲ってきた。
「ヤト」はほぼ確実に倒すことができると踏み込んだ。
しかし、そうにはならなかった。
横に避けるという簡単な動作で交わしてしまったのだ。
結果戻ってきた「干将」は「アサッッシン」の鞘を落とすのが精一杯だった。
そして、仕切りなおそうとした瞬間ののことだ。
「ヤト」は、あることに気が付いた。
「物干し竿」の動きが止まったのである。
「貴殿の勝ちだ。」
「何?」
「ヤト」は耳を疑った。明らかにこちらが、不利だったにもかかわらず、すでに戦う気力はなくこちらの刀を振り下ろされるのを待っている「剣豪」の姿は「ありえない。」の一言でしかなかった。
「どうして?」
そんな事が頭をよぎった。「だまし討ち。」なんて「宮本武蔵」の十八番を使う男ではないことは、自分の経験上知っていた。
「なぜだ」そう思った。
「お前が切らねば、俺が自分で決着をつける。」
そして、脇差を抜くと切腹しようとしたのである。とっさに脇差を弾き「アサッシン」の背中を見て要約理解できた。
「干将」によって背中を斬っていたのである。それは、例え鞘一本とはいえ、「武芸者」にとっては「恥」以外の何者でもない。
「それは、「キャスター」の命令か?」
「否、これは私の「誇り」の問題だ。」
これを聞いて「ヤト」は驚いた。すでに「武芸者」の「誇り」で「キャスター」の強制力に打ち勝っていたのだ。
「ならこの勝負、俺の勝ちとしてここを通らしてもらうぞ。」
「この命とっていかんのか?」
「キャスター」は悔しがるだろうが、「武芸者」の精神力を甘くみたあいつの負けだな。
「わざわざ負けを認めた相手の命を獲るほど、飢えてはいない。」
「しかし。」
「負けたのだから、四の五の言わず俺に従え。」
そして落ちた鞘を「練成」で修理し「アサッシン」に渡した。
「もし、「恥」と思うのであれば、これ以降の任に満身すれば良いだけの事だ。」
「アサッシン」は、方膝をつき臣下の礼の様に鞘を受け取った。本物の武芸者「佐々木小次郎」として本当の敗北だったのかもしれないと思った。

~後輩、青崎棟子~

その日、青崎棟子は「伽藍の堂」に今までいたはずの自分が近くの喫茶店でコーヒーを待っていた。
「いい加減姿くらい見せて貰いたいのだが。」
「それは、失礼をした。」
テーブルの反対側に性別すら解らない青年が姿を表した。
外見は違っているが自分にはその青年らしい人間に心当たりがあった。
そう魔法学校時代いやでも覚えさせられた、偉大にして最も「大罪」を起こした大魔術師。
彼の「大罪」に比べれば、「荒耶 宗蓮」の罪なぞ微々たる物だろう。
そして彼が何故か自分の目の前にいた。
「すでに表層意識に入ってきている時点で、大変失礼なのだが。」
「それは申し訳ない。なにぶん身体で動いた時点で大変な事になるからこんな形でしか遭うことができないのだよ。」
そりゃそうだろう。未だに生死不明で協会、教会が恐れていることで懸賞金額が先進国の国家予算規模に成っていることから推測できた。
そんな「化物」なのだから。
「で、そんな偉人が私ごとき小娘に何用だ。」
「生憎、君くらい有能な後輩が近場にいないだけに、君の学説というか、意見が聞きたくなった。」
「私に意見?」
意外にも程がある。何か裏があるのではと勘ぐってしまう。