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とあるアーチャーの銀河鉄道 第三章

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「下心はないつもりだ。何分「私の「工房」で予想外の実験結果が多くでてしまってね。」それで、第三者の意見を聞きにきたのだ。」
そういうことなら、「イギリス」に行けば答えられそうな、年寄りが山といるからそっちの方が確実だろうが、わざわざ殺されに行く気はないだろう。
「あらかじめ言って起きますが貴方程の知識も経験もない小娘が意見ですから、あてになるかどうか知りませんよ。」
「別にそれは構わない。判断するのは私だ。」
あまり関わりたくないのだが仕方がない。正直な意見を言うしかなさそうだ。下手に深層心理や、記憶なんて覗かれては気分が悪いしな。
「「英雄」を君はどう解釈している?」
「英雄ですか?」
一応自分なりに理論だててはいるが、本格的にそちらの研究をした事がなかったので「完全とは言い切れない。」
「研究題材にした事はなかったが、「英雄」とは必要とされる「人間の事」だと思う。」
「ほう。」
「それの特質すべきは、「当人は、自覚」がないという事でしょう。」
彼は大人しく話を聞いていた。
「ある「英雄」はただ「国民の為」、またある「英雄」は「愛した人の為」といった具合に結果的多大な成果にも拘らず、ほんの一欠けらで大事業を行ってしまった「人間」の敬称だと私は考えます。」
「ほう。では「警察官」「軍人」とあまりかわらないではないか。」
「しかし、「警察官」「軍人」はあくまで「英雄になれるかもしれない職業」で、「英雄」ではありませんね。」
「たしかに、「組織」の弱点さえ押さえればどうにでもなるでは「英雄」にはなりえないな。」
そう、あくまで、「人間の職業」なのだ。それでは「英雄」にはなりえない。あくまで「英雄的行動」に対する「賞賛」は得られる可能性はあるが、「彼」の聞いてきた「英雄」とは違うだろう。
あくまで、一般論だろう事は自分でもわかった。
「私が聞きたいのは、そんな話ではないのだが。」
「ええ。それを踏まえて私はこう考えています。「英雄とは、いかなる世界においても、「何かの為」に表れ、そして戦い勝利をおさめた人間。」の事だと思います。」
「如何なる世界でもか?」
「はい。」
私はかつて「荒耶 宗蓮」と戦った、一人の少年を表層意識の中にあらわしてみた。
彼のことは、黒桐に聞いただけだが幸い生前の写真を見た事があったのでそれを「イメージ」したのである。
「彼は、私の同輩の作った「世界」で「掌の上でで動く程度」の存在でした。」
そして、黒桐や式から聞いた話をした。
「結果、彼は「英雄」を動かす原動力になった。」
「「英雄」でもなく唯の人間が「世界」を壊したか。」
彼は少々顔を引きつらした。思い当たる節があるらしい。
「私は、「英雄」とはそんな存在だと思う。」
「何の力のない彼がか?」
「ええ。ただ力がないわけではなかった。方向が見えなかっただけだったとおもいますが。」
彼は難しい顔をしたが私は話を続けた。
「「同輩」も「因果」を張り巡らせ「英雄」を作らないようにしていたようでした。しかし、「英雄」は現れた。」
そう。「両義式」という名の破壊者が現れた。
「結果、私は「如何なる「因果」を張り巡らそうと、「世界」を完全掌握していようと本当に必要なとき「英雄」は現れる」とおもいます。」
「誰が、必要なときなのか解るか?」
「大変申し訳ないが、そこまで実験した事がないので解らんが、それは「人」である事が多いと思われる。」
「「人」か。」
その一言は何か色々思い当たる節があるようにおもいものだった。
「ええ、私はそう結論づけます。」
「それでは、「英霊」とはまた別の物の様に思うのだが?」
「ええ。元はそんな「人間」や「神」だったかもしれませんが、後で肉付けされた「物語」によって「聖杯」がまるで違うものとして召喚してしまった悲しい魂と私は解釈していますが。」
何か思案しているようだ。正直何を考えているかも知りたくはない。
しばらく沈黙の後、彼はこう言った。
「参考になったよ。これは僕からの相談料だ、」
そうして、テーブルに木箱を置いた。
「危険すぎる物は勘弁してくれ。」
「今の自分が持っている、君へ合う贈り物はこれ位しかないものでね。勘弁してくれ。」
木箱のものも「魔術師」とても魅力的なものだということもわかる。しかし同時に「危険物」である事もわかっている。
「それではお暇させてもらうよ。貴重な意見に感謝するよ。」
そして、彼はその場から姿を消した。
「棟子さん。修行にきました~」
鮮花の声で、「伽藍の堂」に戻ってきたようだ。
「それなんですか~」
「触るな。」
机の上にある木箱を見つけ手に取ろうとする鮮花に怒声をあげ制した。「禁忌に近づく」という因果がおそらく作用してしまったのだろう。
「怒鳴ってすまない。こいつは、お前にはまだ早すぎる。」
「ええ~」
そういって木箱を持ってその手のもの置いてある部屋に持っていった。
部屋に到着すると中身の物はおおよそ検討は付くが、やはり魔術師も「研究家」なのだろう確認したくなった。
「やはりか。」
予想道理というかそれは、もはや一般化しすぎて「魔術の道具」であることすら忘れられてる物。
そして「あの男」の大罪のひとつで、おそらく「原典」もしくは、彼の「新書」に当たる物だろう。
「やはり奴は「本物」のようだ。」
中に入っていたものそれは「タロットカード」である。
最早気軽な占い道具だが、本来は「何通もの魔術式」が詰まった「魔道書」なのだという事を知る人間は稀であろう。「タロットカード」を作った魔術師を知るものも少ないだろう。
それはそうだ。
これを作った者こそ大罪人「アレースター・クローリー」なのだから。
「これで「占い」なんてやったら「百発百中」物だね。」
そんな欲望を抑えながら木箱にしまうと幾重にも魔術封印を施した。
この部屋じたい鮮花に見つかる事はないだろうが、これを見つけたら間違いなく使ってしまうだろう。
そうしただけで、「大変な事」が起きそうであるだけに厳重に越した事はなかった。
「さて、鮮花の質問攻めをどう乗り切るかな。」
重いため息を吐いた。

ここにアレースターが居れば、「そんな事するより、コンクリートの中に沈めれば良いものを。」と間違いなく言うだろう。