秋風-You&I
夏も終わりに近づきあの暑さもどこかへ、
今はとても心地いい風が頬をなでる。
そんな中・・・・・・
「うあぁぁあっ!!?」
午後8時を過ぎた頃大きな叫び声が西浦高校野球部の部室の中に響く。
声の主は野球部のキャプテンこと花井梓だった。
「花井どーした?」
叫び声をあげた花井に対して一番に声をかけたのはチームの4番、田島悠一郎、
それもそのはず部室には花井と田島以外誰もいないからだ。
心配して声をかけたのはいいがその時なぜか田島は花井にまたがっていた。
しかも田島は花井の腕を自分の物と見えるベルトで縛っている
「どうしたじゃねぇよ! 早く解けっ!!!」
花井は田島から逃れようとじたばたし、そんな花井を田島はニヤニヤと見ている。
「んー、なんか暴れてる花井ってかわいいよな~」
その言葉に花井が固まる。
(どうしてこんなことになっちまったんだ・・・?)
花井の頭をそんな疑問が駆け巡る―――・・・
それは部活終了後のこと、
いつものように花井が部室で部誌を書いていた、
少しして疲れたのか部誌から目を離すとそこには自分のものじゃないバッグが目にとまる。
(あ・・・これ田島のじゃん。)
ユニフォームやお弁当がぐちゃぐちゃに入れてあり、すぐ持ち主に気がついた。
(あいつバッグ忘れて帰ったのか? しかたねぇなぁ、あとで届けてやっかー。)
と、ついつい甘いことを考えていた。
(田島・・・・・・あいつはホントすごいのかバカなのかよくわかんねぇよな・・・)
そんなことを考え軽く微笑んでいたら、
「花井ー何してんの~??」不意に声をかけられる
「ちょっと考えごと・・・」
「ふ~ん」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「うわあぁっ!」
「うぉっ」
気づいたら田島が机に両肘をついて花井を見上げていた、
花井がおもわず声をあげると田島も同じく声をあげた。
「たった・・・たじ・・・・・・」
「花井ビックリすんじゃんいきなり声あげないでよー」
田島が頬を膨らませる。
「それはこっちのセリフだー!!」
そう言って田島の頭に拳骨を入れる。
「いってー!いってぇよ~~」
田島が涙目で頭を抑え花井の方を見る
「うっせぇ!何でお前まだいるんだよ!」
花井は痛かったのか手をさすりながら田島に向かって言う。
「んなの花井を待ってたからに決まってんじゃん!」
思ってもいなかった言葉が出てきて花井の顔が見る見る赤くなり
何も言えず口をパクパクさせている
「なのに花井は俺の頭殴るしさーひでぇよなー」
「そ、それはわりィ・・・・・・でもお前バッグ置いたまま何処いってたんだ?」
軽く謝罪をいれ花井は疑問に思っていた事を口にする。
「あぁ、じぃちゃんのトコ!!」
田島が明るく答え、花井は呆れてため息をつく。
「お前なぁ~そこまでいってんだったらそのまま帰ればいいのに・・・・・・」
「嫌だよ!花井をほったらかしで帰りたくねぇよ!」
「ほったらかしっておまっ、俺とお前じゃ家までの距離が全然違うだろ!?」
確かに田島の家は学校から自転車で一分なのに比べ花井の家はもっと時間がかかる。
もし田島が花井の家まで寄っていたら一時間以上かかる
その事を花井は言っているのだ。
「だからお前は先に帰れ」
花井はドアの方を指差す。
「やーだーよー」
田島はそっぽを向く
「なっ!お前なぁ、俺が心配して言ってやってんの――・・・」
花井の言葉が田島の一言でとざされる
「だったら俺んちに泊まればいいじゃん!!」
バタッ((花井が机に突っ伏す
「・・・・・・なんでそーなる」
「だって俺もこんななか花井を一人帰すの心配だし~俺んち泊まるんだったら安心じゃん♪」
「いいよ、いかねぇ」
「えぇ~!? なんで??」
田島が叫び花井は顔をしかめ耳をふさぐ
「なんでなんでなんでー?! 俺んち嫌なの? 家族になんかされた? まさか虐めらr―――」
「虐められてねー!!それに別にいやじゃねぇよ」
「じゃぁなんでぇ?」
田島が目をウルウルさせながら花井にしがみ付き問い掛ける
「何回もお前んちに世話になるわけにはいかねぇだろ!!」
花井は今月だけで田島の家に四回ほど泊まっているし泊まらなくても晩御飯をご馳走になったりと
いろいろお世話になっているのだ。
「別に俺の家族は野球部員大歓迎だぜ?」
田島は楽しそうに笑いながら言った。
(田島の家族はそうだろうな・・・・・・)
花井はまたため息をつく
「だから俺んちに泊まれよ、なっ?」
「拒否する」
「むぅ~・・・だったらもういいよ・・・・・・」
(めずらしぃな田島がこんなに早く折れるなんて・・・まぁいいことだけどな)
「そうか?なんかわりぃな」
花井がニコニコしながら田島の頭をなでていると急に手を捕まれ椅子ごと押し倒された
「いてて・・・・・・何すんだよ田島ぁ」
そんな花井の言葉を聞かず自分のベルトを外すと花井の腕を縛り馬乗りになる
「花井確保~」
「うあぁぁあっ!!?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・で、
今の状況に陥る・・・・・・。
「・・・・・・田島お前一体何が目的でこんなことしてんだ?」
花井は未だに馬乗りになっている田島の方を見る
「花井を持ち帰ろうかなって思ってね★」
「はァ?」
「さー帰ろ、これで帰ろうな花井♪」
暫くそのままフリーズしていた花井であったが、そのまま田島に引っ張られて、
大慌てで声を上げて、待ったをかける。
「帰ろうじゃねーよ!!今すぐ解け~~!!!」
「じゃあ逃げない? 俺んち泊まる?」
田島が目を輝かせる
「う・・・卑怯だぞお前・・・」
「嫌ならこのままお持ち帰りなっ。よしレッツゴー!」
「あ゛ぁ゛ー!!! わかった分かったから解けー!」
その言葉に満足したのか田島は花井を解く
やっと自由になった花井は田島の頭に鉄拳を食らわす。
「はー、スッキリした~」
「はうぅ~、でも約束だかんな俺んち泊まれよ?」
「分かってるって、俺まだ部誌かけてねぇから少し待っててくれるか?」
「はぁーい」
素直に返事をして田島は花井の向かいの椅子に座った。
少しの間部室にはカリカリと花井が部誌を書く音だけが聞こえる
以外にも田島が静かにしていると思った花井はふと田島の方を見る・・・
・・・と、田島は机に突っ伏したままリズミカルな寝息を立てていた。
(疲れてんだなー・・・にしても気持ちよさそうに寝てるよなー)
部誌に向き直り続きを書きはじめる
数分後、部誌を書き終えた花井は田島の方を見る
でも田島はまださっきと同じく寝息を立てていた。
(起こすのもなんだかな~・・・・・・でも起こさないとだしな・・・)
そんなことを考えつつ花井は田島の鼻をつつく
瞬間、田島が僅かに身震いしたが、でもすぐまた同じ様に寝息をたて、
その様子が花井には堪らなく愛らしくて
何かに惹かれるように、花井は田島の唇に自分の唇を合わせた
「………………んっ…」
接触していたのはホンの数秒ほど。
今はとても心地いい風が頬をなでる。
そんな中・・・・・・
「うあぁぁあっ!!?」
午後8時を過ぎた頃大きな叫び声が西浦高校野球部の部室の中に響く。
声の主は野球部のキャプテンこと花井梓だった。
「花井どーした?」
叫び声をあげた花井に対して一番に声をかけたのはチームの4番、田島悠一郎、
それもそのはず部室には花井と田島以外誰もいないからだ。
心配して声をかけたのはいいがその時なぜか田島は花井にまたがっていた。
しかも田島は花井の腕を自分の物と見えるベルトで縛っている
「どうしたじゃねぇよ! 早く解けっ!!!」
花井は田島から逃れようとじたばたし、そんな花井を田島はニヤニヤと見ている。
「んー、なんか暴れてる花井ってかわいいよな~」
その言葉に花井が固まる。
(どうしてこんなことになっちまったんだ・・・?)
花井の頭をそんな疑問が駆け巡る―――・・・
それは部活終了後のこと、
いつものように花井が部室で部誌を書いていた、
少しして疲れたのか部誌から目を離すとそこには自分のものじゃないバッグが目にとまる。
(あ・・・これ田島のじゃん。)
ユニフォームやお弁当がぐちゃぐちゃに入れてあり、すぐ持ち主に気がついた。
(あいつバッグ忘れて帰ったのか? しかたねぇなぁ、あとで届けてやっかー。)
と、ついつい甘いことを考えていた。
(田島・・・・・・あいつはホントすごいのかバカなのかよくわかんねぇよな・・・)
そんなことを考え軽く微笑んでいたら、
「花井ー何してんの~??」不意に声をかけられる
「ちょっと考えごと・・・」
「ふ~ん」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「うわあぁっ!」
「うぉっ」
気づいたら田島が机に両肘をついて花井を見上げていた、
花井がおもわず声をあげると田島も同じく声をあげた。
「たった・・・たじ・・・・・・」
「花井ビックリすんじゃんいきなり声あげないでよー」
田島が頬を膨らませる。
「それはこっちのセリフだー!!」
そう言って田島の頭に拳骨を入れる。
「いってー!いってぇよ~~」
田島が涙目で頭を抑え花井の方を見る
「うっせぇ!何でお前まだいるんだよ!」
花井は痛かったのか手をさすりながら田島に向かって言う。
「んなの花井を待ってたからに決まってんじゃん!」
思ってもいなかった言葉が出てきて花井の顔が見る見る赤くなり
何も言えず口をパクパクさせている
「なのに花井は俺の頭殴るしさーひでぇよなー」
「そ、それはわりィ・・・・・・でもお前バッグ置いたまま何処いってたんだ?」
軽く謝罪をいれ花井は疑問に思っていた事を口にする。
「あぁ、じぃちゃんのトコ!!」
田島が明るく答え、花井は呆れてため息をつく。
「お前なぁ~そこまでいってんだったらそのまま帰ればいいのに・・・・・・」
「嫌だよ!花井をほったらかしで帰りたくねぇよ!」
「ほったらかしっておまっ、俺とお前じゃ家までの距離が全然違うだろ!?」
確かに田島の家は学校から自転車で一分なのに比べ花井の家はもっと時間がかかる。
もし田島が花井の家まで寄っていたら一時間以上かかる
その事を花井は言っているのだ。
「だからお前は先に帰れ」
花井はドアの方を指差す。
「やーだーよー」
田島はそっぽを向く
「なっ!お前なぁ、俺が心配して言ってやってんの――・・・」
花井の言葉が田島の一言でとざされる
「だったら俺んちに泊まればいいじゃん!!」
バタッ((花井が机に突っ伏す
「・・・・・・なんでそーなる」
「だって俺もこんななか花井を一人帰すの心配だし~俺んち泊まるんだったら安心じゃん♪」
「いいよ、いかねぇ」
「えぇ~!? なんで??」
田島が叫び花井は顔をしかめ耳をふさぐ
「なんでなんでなんでー?! 俺んち嫌なの? 家族になんかされた? まさか虐めらr―――」
「虐められてねー!!それに別にいやじゃねぇよ」
「じゃぁなんでぇ?」
田島が目をウルウルさせながら花井にしがみ付き問い掛ける
「何回もお前んちに世話になるわけにはいかねぇだろ!!」
花井は今月だけで田島の家に四回ほど泊まっているし泊まらなくても晩御飯をご馳走になったりと
いろいろお世話になっているのだ。
「別に俺の家族は野球部員大歓迎だぜ?」
田島は楽しそうに笑いながら言った。
(田島の家族はそうだろうな・・・・・・)
花井はまたため息をつく
「だから俺んちに泊まれよ、なっ?」
「拒否する」
「むぅ~・・・だったらもういいよ・・・・・・」
(めずらしぃな田島がこんなに早く折れるなんて・・・まぁいいことだけどな)
「そうか?なんかわりぃな」
花井がニコニコしながら田島の頭をなでていると急に手を捕まれ椅子ごと押し倒された
「いてて・・・・・・何すんだよ田島ぁ」
そんな花井の言葉を聞かず自分のベルトを外すと花井の腕を縛り馬乗りになる
「花井確保~」
「うあぁぁあっ!!?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・で、
今の状況に陥る・・・・・・。
「・・・・・・田島お前一体何が目的でこんなことしてんだ?」
花井は未だに馬乗りになっている田島の方を見る
「花井を持ち帰ろうかなって思ってね★」
「はァ?」
「さー帰ろ、これで帰ろうな花井♪」
暫くそのままフリーズしていた花井であったが、そのまま田島に引っ張られて、
大慌てで声を上げて、待ったをかける。
「帰ろうじゃねーよ!!今すぐ解け~~!!!」
「じゃあ逃げない? 俺んち泊まる?」
田島が目を輝かせる
「う・・・卑怯だぞお前・・・」
「嫌ならこのままお持ち帰りなっ。よしレッツゴー!」
「あ゛ぁ゛ー!!! わかった分かったから解けー!」
その言葉に満足したのか田島は花井を解く
やっと自由になった花井は田島の頭に鉄拳を食らわす。
「はー、スッキリした~」
「はうぅ~、でも約束だかんな俺んち泊まれよ?」
「分かってるって、俺まだ部誌かけてねぇから少し待っててくれるか?」
「はぁーい」
素直に返事をして田島は花井の向かいの椅子に座った。
少しの間部室にはカリカリと花井が部誌を書く音だけが聞こえる
以外にも田島が静かにしていると思った花井はふと田島の方を見る・・・
・・・と、田島は机に突っ伏したままリズミカルな寝息を立てていた。
(疲れてんだなー・・・にしても気持ちよさそうに寝てるよなー)
部誌に向き直り続きを書きはじめる
数分後、部誌を書き終えた花井は田島の方を見る
でも田島はまださっきと同じく寝息を立てていた。
(起こすのもなんだかな~・・・・・・でも起こさないとだしな・・・)
そんなことを考えつつ花井は田島の鼻をつつく
瞬間、田島が僅かに身震いしたが、でもすぐまた同じ様に寝息をたて、
その様子が花井には堪らなく愛らしくて
何かに惹かれるように、花井は田島の唇に自分の唇を合わせた
「………………んっ…」
接触していたのはホンの数秒ほど。