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佐久間くんと小磯くん達の日常

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 ※健二のアバターは元アバターがケンジ、リスアバターはけんじ。
  佐久間のアバターはサクマでお送りしております。
 ※佐久間と健二は一緒に住んでいます。
 ※ここでは佳主馬は片思いです
 ※佐久間と健二は幼馴染設定です


「さーくまー」
『佐久間さーん』
『サクマー』
 隣の部屋から聞こえた声に行ってみれば、そこはこたつの魔力に取りつかれた健二とそのアバター達がいた。
「お前ら」
『少しは動けよな』
 佐久間の周りにはふわふわとサクマが飛んでいる。
「だって、こたつから出たくないんだよ」
「それはわかるけどな…」
『出れないんですよー』
『なので、呼んでみました』
『オレ達を召喚するな!』
 サクマの言葉にケンジとけんじはえへへと笑い合う。
「でも、なんで呼んだんだ? 何かあったか?」
「んー、佐久間もこたつ入らない? せっかくこたつ買ったんだしさ」
「お前なぁ…、オレは忙しいの」
「忙しいっていってもさOZの仕事は終わってるだろー」
 既にまた眠くなってきている健二の言葉の語尾は既に怪しい。
『マスター、僕もう眠いです…』
『僕もダメ…』
 アバターの二人はそういいながら、目を閉じてしまった。
『あーあー』
「こたつの魔力に負けた」
 クスクスと笑って自分のアバター達を撫でる健二を佐久間も撫でる。
「…何さ」
「いやー、可愛いなぁと思って」
 三人そろっているからこそだと思う。
「可愛いって男に言う言葉ではないだろ?」
『そうだけどさ、可愛いとは思う』
「サクマまでー」
 そういいながらも健二は怒っている様子はなかった。
「で? 佐久間は結局どうするのさ」
「…入ろうかな」
『マスターまで』
「お前はあたれない…な」
『しょうがないでしょ! 身体がある訳じゃないんですから。そう作ったのはマスターでしょう?』
「ああ、そうだな」
『まったく…。オレはOZ内に散歩に行ってきますね』
「サクマ…ごめんね?」
『健二が謝ることないから、気にしないでくれ』
 そういって、サクマは消えた。
「佐久間。みかん食べる?」
「食べるか。健二、剥いてくれ」
「はいはい」
 そして、健二はみかんを向き始めた。それを見ている佐久間。
「なー、健二」
「何?」
「この頃、佳主馬くんと会ってたりする?」
「OZでちょこちょことは」
 キングである佳主馬は健二にとてもご執心。それを知ってか知らずか健二はいつものあの笑顔で佳主馬とよく会っていた。
「なぁ、健二」
「ん?」
「佳主馬くんはお前にとってどんな存在だ?」
「佳主馬くん? やっぱり弟かなぁ」
 佐久間に剥いたみかんを渡しながら健二がうーんと考えながら答える。それを聞いた佐久間は苦笑いだ。
『…佳主馬くん、そうとう頑張んないとこの天然は落とせねーぞ』
 そう思いつつ、パクリとみかんを食べる。
「あ、結構甘いな」
「だろ? けんじがOZで買ってきてくれたんだ」
「ああ、食べ物関係はけんじに頼むとはずれはないんだ」
「そうなんだよ。ケンジの方は何かないのか?」
「ケンジは結構懸賞関係に強いんだよね」
「へえ」
「何か、あのバトルの後にえらく強くなった」
 ラブマシーンとの戦いの後、ケンジは帰ってきた。さすがに全国のネットからニュースになってしまったため余り外に出ることは出来なくなった。そのため中にいることが多くなる訳だ。さすがに何もしていないと暇ではある。そこでケンジはネット内の懸賞サイトをよく回るようになった。やってもクロスワードや答えを書いて応募するものばかりだが。
「…でもなんで?」
「どうも、ラブと一緒にやってるらしんだよね」
「は? ラブマシーンと?」
「うん。どうも侘助さんからのお願いみたいで。僕も後から聞いたんだ」
 話によれば、ラブマシーンは今OZの警護関係の仕事をしている。が、まだ成長中で勉強中。その成長過程を助けてほしいと言われたそうだ。
「お前…それ後で聞いた訳?」
「うん。ケンジから聞いた」
「一応、お前マスターじゃないのか?」
「いいんだよ。ケンジがやりたいと思うやってくれれば」
「…お前らしいけど」
 ぱくりとみかんを食べて笑う健二に佐久間も笑った。
「…佐久間」
「何?」
「ねーむい!」
 健二の眼は既にトロンとしている。
「おまえなー」
 横でもう眠る体勢に入っている健二。
「ったく。後で起こしてやるから、寝てろ。どうせ、徹夜してんだろ」
「よく…おわかりで」
「お前だからね」
 そう言った佐久間に安心して健二は眼を閉じた。
「まったく」
 昔から無理をしてしまうのは変わっていなくて。何度自分の部屋に止まらせたことがあっただろうか。あまり自分の息子に興味がない健二の親。よく一人でいたのを無理やり自分の家に連れてきたこともある。今、一緒に暮らしているのはそのためでもある。
「あ、いいこと思いついた」
 そういって、佐久間は自分のアバターを戻す。
『はいはいー』
「お前、デジカメ機能つけてたよなー」
『そうだけど』
 そのときの佐久間の顔は俗にいう悪い顔。
『何をしようとしてるんだよ』
「この状態を撮ってくれるか?」
 そこにはアバター達に囲まれた健二が眠っていた。
『…それをどこに送るんだよ』
 にっこり笑って言った。
「勿論、キングにだよ」

「…佐久間さん?」
 パソコンをカタカタ叩きながら自分のアバターが持ってきたメールを開いてみた。
「…っ」
 言葉にならない。佳主馬は無意識に口を押さえる。顔も赤くする。それはアバターでもあるキングも同じだったが。
『…マスター』
「キング…、これ保存ね」
『了解しました』
 それにしてもだと思う。
「あの人、ぜーったいに面白がってるだろ!」
 佐久間は佳主馬が健二に恋慕していることを知っている。それを知っているからこその、このメール。絶対に遊んでいる。
「絶対に佐久間さんから健二さんと取ってやりるんだからな!」
 そういって佳主馬はやる気を起こすのだった。

「佳主馬くん、どんな顔してるんだろな」
『キングは顔を赤くしてると思う』
 お互いににやっと笑う。
「さて、戻るか」
『あー、仕事途中だっけ?』
「ま、こいつには誰にも勝てないって」
『それはそうだな』
 佐久間はサクマと共にこたつから立ち上がる。
「もう少しがんばるか?」
『了解した。マスター』
 出る前に健二の髪を撫で一言優しい声で言った。

「おやすみ」

 後でまた起こしにはくるけれど。

 今は安らかな眠りの親友に。

「いくぞー」
『りょうかい』

 佐久間は静かに部屋を出て言った。

 残ったのは健二達の安らかな眠り。