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Our Song

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「水谷には関係ない」


 水谷のここ最近のマイブームはバドミントンだった。体育の授業の際、こっそりくすねたラケットとシャトルで昼休みに遊んでいる。午前の授業が終わったらすぐさまメシを掻き込み、場所取りのために体育館へひた走り、先客ありなら校内のどこかを探す。片付けが面倒臭いからネットは張らないし、ルールも適当だけれど、水谷はとにかくバドミントンがしたかった。
 四人いる仲間内では水谷が一番上手く、バドミントン部員から入部を勧誘されるくらいだった。その話を自慢げに阿部と花井へしたら、二人から「のしを付けてバド部へくれてやろうか」と脅された。
 でもバドミントンは楽しい。甘く浮いてきたシャトルを目で捉えたら、瞬時に軽くジャンプして勢いよく腕を振り、相手のコートへ叩きつける。たまらなく爽快だ。また、ラケットが風を切り、びゅう、と音を立てる感じも好きだった。
 しかし今日は調子が悪く、適当ルールながらも常に全勝している水谷が一勝しかできなかった。原因は友達に指摘されてわかった。他人から見てもプレイ中の水谷は考え事をしているようだった、と。
 別に特定の出来事についてあれこれ考えを巡らせていたわけじゃなかったから、そんな印象を持たれるのはちょっと違う気がした。正しく言うのなら、腹の中でもやもやしたものが大きな渦をこしらえていたせいでバドミントンへ集中できなかったのだ。原因もすぐ把握できる。その渦は体育館へ向かう途中、一組の前を通りかかったとき生まれたことを水谷自身も覚えていた。
 窓際の席、耳からコードを垂らした栄口が頬杖をついて遠くを見ている。
 またあの曲聴いてるんだ、というのが水谷の感想だった。階段で巣山とすれ違ったから、多分そのわずかな待ち時間でもあの曲を聴きたくてイヤホンをつけたのだろう。
 バドミントンへハマる前の水谷は昼休みを一組で過ごしていた。理由など特に無く、別のクラスで昼飯を食べたら面白そうだなと思いつき、手始めに一組へ押しかけたら妙に居心地が良くて、そのまま定住してしまっただけだった。巣山は保健委員の仕事があり、週の半分は弁当を食べ終わると保健室へ行かなければならないから、必然的に栄口と話す場面が多かった。
 水谷は栄口と会話するのが好きだ。自分が何か喋ると返ってくる、「だよなー」の雰囲気が好きだった。嬉しくなって続けてべらべら語りだすと、「うんうん」と合いの手を入れてくれるのもいい。

作品名:Our Song 作家名:さはら