君のせい
「うん。でも、仕事だろうがなんだろうが帝人くんに触れるのは許せない」
はぁ。と帝人くんから小さく溜め息が聞こえると僅かに体を離され、呆れた表情を浮かべながらも微笑む帝人くんがもう一度『馬鹿』と呟いた。
「臨也さん、髪切ったことあるんですか?」
「ない。から、練習しておくよ」
「変な風に切ったら怒りますからね」
「可愛い帝人くんの髪なんだから、丁寧に切るさ」
「もう・・・、本当にしょうがない人ですね」
言葉とは違い優しく微笑む帝人くんに俺は嬉しくなり、もう一度きつくその小さな体を抱きしめ、街中だというのも構わずそっと唇を重ねた。
おまけ
「さて、髪も切ったし夕飯は焼き肉でも食べに行こうか」
「突然焼き肉なんてどうしたんですか?」
「家を出る前に帝人くん抱きあげたら軽かったからさぁ、焼き肉食べて栄養つけさせようと思って」
「っ、そんな軽くないですよ!」
家でのお姫様抱っこを思い出して真っ赤になった帝人くんは、それはそれは可愛かったよ。