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リヲ(スランプ中)
リヲ(スランプ中)
novelistID. 4543
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ふわふわと

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「ただいま」
すこし疲れたように体と心が重い。

「おかえり」

エプロン姿で出迎えてくれるのは、・・・俺の憧れで理想のアレルヤ。

玄関に置かれた鏡にはよく似た少女が二人だけ。

「・・・頼まれたケーキ買ってきた」
「ありがと!ハレルヤ」

ふわふわ柔らかい、アレルヤが抱きつくのは姉のとよく似た服を着た弟。


そう、いつしか俺はアレルヤに憧れる余り、アレルヤのような服を着るようになっていた。
べつに女装したいわけでも女になりたいわけでもないはずのに、だ。

そしてアレルヤはそんな俺を受け入れてくれている。


ああ・・・どうしてこうなった原因を今まで忘れられていたのだろうか。

『可愛い恋人さん達だこと』

そう言われた時の二人を見て胸が痛んだ。
だって、幼い俺にもとてもお似合いに見えたから。

俺も・・・アレルヤみたいになれたら、言ってもらえるだろうか?
ニールと、まるで恋人同士のようだと。


「はい。ハレルヤはいつも通りお砂糖三杯ね」
「あ、あんがと・・・。
・・・あれ、アレルヤ・・・コーヒー・・・」
「うん、久しぶりに飲みたくなってね」

アレルヤのコーヒーは黒いまま。
そうだった、ミルクも砂糖も入らなかったんだ。
ニールが引っ越して行ってから飲まなくなっていたので忘れていた。

もしかして・・・?

(まさか・・・な)

いつもは甘いはずのコーヒーがその時は苦く感じた。


大丈夫。きっと二度目はないから・・・。

作品名:ふわふわと 作家名:リヲ(スランプ中)