ふわふわと
帰りの道すがらも思い出したように指で触れては笑みを浮かべる。
・・・解かってる、大丈夫だ。
コレは、二度目はないだろうから許したんだ。
大丈夫・・・だいじょうぶ・・・っ。
目に浮かぶのは窓ガラスに映った二人。
嬉しさが暴走したのか、頬に触れるだけのキスをしたのはアレルヤから。
カサリとポケットの中で自分は此処だと主張する名刺の存在にまたツキリと胸が痛む。
捨ててしまえば本当に二度目はないだろう。
・・・なのに、けれども。
記憶を振り払うように目を逸らした先に見たガラスに映るアレルヤは、
ただ静かに携帯に番号を記憶させていた。
そんなことしたって後悔しか、思い描けないのに。